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フラミンゴはなぜ赤い?なぜ片足立ちする?6種の分類から進化の理由まで科学論文で解説

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動物園で見かける鮮やかなピンク色のフラミンゴ。米津玄師さんの楽曲「Flamingo」では片足立ちで不安定な様子、への字に曲がった嘴、赤色という刺激的な色から、満たされない男女の儚い関係や、現代人の空虚さ・情けなさを描いた楽曲の主役として扱われています。

印象的に歌われるこの鳥ですが、なぜあれほど赤いのでしょうか。また、なぜ一本の脚で立ち続けるのでしょうか。

フラミンゴの赤い羽毛は、食物から取り込むカロテノイドという色素によって生まれます。しかし、色素を摂取する仕組みがわかっても、なぜ進化の過程で鮮やかな色彩が維持されてきたのかという疑問は残ります。

その答えを探るには、健康状態を示すシグナルとしての機能、繁殖相手を選ぶ性選択、そしてフラミンゴが暮らす過酷な塩水湖という生息環境を考える必要があります。

フラミンゴは高い塩分濃度を持つ塩水湖や干潟・海岸で暮らす種類が多いです。コフラミンゴに至っては極端に塩分濃度が高い「死の湖」と呼ばれる湖にも生息しており、アフリカのナトロン湖はその代表です。フラミンゴにとってはカロテノイドを含む餌を大量に得る場所であり、重要な繁殖地でもあります。陸上の捕食者が繁殖地に接近しにくいことも、大きな利点です。

そのような比較的天敵に目立っても大丈夫な環境下で、豊富に存在する食物のカロテノイドを利用して、健康状態を示すシグナルとしての機能と繁殖相手(オスメスともに)にアピールする機能が発達したと考えられます。

片足立ちに関しても、2つの理由から最もエネルギー効率が高く、長時間湖の中での生活を可能にするための適応だと考えられます。

この記事では、現生するフラミンゴ6種の分類から、死の湖(塩水湖)の科学的な特徴、赤色と性選択の関係、カンタキサンチンの抗酸化作用、片足立ちの進化まで、科学論文に基づいて解説します。

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※当サイトは日本語が原文です。他言語は自動翻訳されたものであり、学名や専門用語が間違っている可能性があります。
  1. フラミンゴとは?分類と現生する6種
    1. フラミンゴ属(Phoenicopterus)
    2. コフラミンゴ属(Phoeniconaias)
    3. アンデスフラミンゴ属(Phoenicoparrus)
  2. フラミンゴはなぜ赤い?カロテノイドが羽毛を染める仕組み
    1. 藍藻類や甲殻類が赤色のもとになる
    2. フラミンゴは自分で羽毛の赤色を維持している
  3. 塩水湖や干潟・海岸に暮らすことがフラミンゴの大きな特徴
    1. コフラミンゴが暮らす「死の湖」
      1. 死の湖は捕食者から繁殖地を守る
      2. 死の湖への適応は、フラミンゴの生存と繁殖に直結している
  4. フラミンゴが赤くなった究極の理由は?
  5. 仮説1:赤色は健康状態や個体の質を示す正直な信号
    1. オオフラミンゴの研究が示すこと
  6. 仮説2:赤色は繁殖相手を選ぶための性的シグナル
  7. 赤色は健康のシグナルから、性的な装飾へ進化したのか
  8. 仮説3:カンタキサンチンの抗酸化作用は、フラミンゴの赤色の進化に関係するのか
    1. 鳥類のカロテノイドと抗酸化能を調べたメタ分析
    2. 抗酸化作用が鳥類の体内で常に発揮されるとは限らない
    3. フラミンゴのカンタキサンチンについて、直接わかっていること
  9. 天敵に目立つリスクより、赤色のメリットが大きいのか
  10. フラミンゴはなぜ片足立ちするのか
    1. 体温調節のため
    2. エネルギーを節約するため
  11. まとめ:フラミンゴの赤色や片足立ちは何のために進化したのか
  12. 引用文献

フラミンゴとは?分類と現生する6種

フラミンゴは、鳥綱・フラミンゴ目(Phoenicopteriformes)・フラミンゴ科(Phoenicopteridae)に分類される水鳥です。長い脚と首、濾過摂食に適したくちばし、そしてピンク色から赤色の羽毛が特徴です。

現生のフラミンゴは、一般的な分類体系では3属6種に分けられます。

ただし、属の分類には遺伝学的な研究に基づく議論があり、分類体系によって扱いが異なる場合があります(Torres et al., 2014; Frias-Soler et al., 2022)。

フラミンゴはアフリカ、ヨーロッパ、アジア、南北アメリカなどに分布します。種によって生息地や採食する餌は異なります。

オオフラミンゴの成鳥
オオフラミンゴの成鳥|© 2021-2026 生態情報 Kenichi Ikeda
ベニイロフラミンゴの成鳥
ベニイロフラミンゴの成鳥|© 2021-2026 生態情報 Kenichi Ikeda

フラミンゴ属(Phoenicopterus)

  • ベニイロフラミンゴ(Phoenicopterus ruber)
  • オオフラミンゴ(Phoenicopterus roseus)
  • チリーフラミンゴ(Phoenicopterus chilensis)

コフラミンゴ属(Phoeniconaias)

  • コフラミンゴ(Phoeniconaias minor)

アンデスフラミンゴ属(Phoenicoparrus)

  • アンデスフラミンゴ(Phoenicoparrus andinus)
  • コバシフラミンゴ(Phoenicoparrus jamesi)

フラミンゴはなぜ赤い?カロテノイドが羽毛を染める仕組み

フラミンゴのピンク色から赤色の羽毛を生み出す主な要因は、カロテノイドと呼ばれる色素です。

カロテノイドは、藻類や甲殻類などに含まれる黄色・橙色・赤色系の色素の総称です。フラミンゴは食物からカロテノイドを取り込み、体内で吸収・代謝した後、羽毛や皮膚などに蓄積します。

Fox et al.(1967)は、コフラミンゴ、チリーフラミンゴ、オオフラミンゴの血液と羽毛に含まれるカロテノイドを比較しました。オオフラミンゴの羽毛では、カンタキサンチンが主要なカロテノイドの一つであることが報告されています。

つまり、フラミンゴの赤色は、食べた餌の色がそのまま羽毛に移ったものではありません。食物に含まれる色素を取り込み、体内で利用し、羽毛などに配分する生理的な仕組みによって生まれています。

藍藻類や甲殻類が赤色のもとになる

フラミンゴの餌は種や生息地によって異なります。

くちばしは中央部で急角度で下に曲がり、「へ」の字状の形状をしています。くちばしが曲がる角度は、頭頂部を下にしてくちばしを水につける採食時の姿勢に対応しており、くちばしの縁にはラメラと呼ばれるヒゲ状の組織があり、これで水中の藍藻類や小動物を漉しとって食す濾過摂食を行います(Ortega-Jimenez et al., 2025)。

興味深いことに、フラミンゴは頭を素早く引っ込めることで渦を発生させ、堆積物やエビをかき混ぜます。さらに、嘴を鳴らすことで方向性のある流れを作り出し、足を踏み鳴らすことで渦を作り、無脊椎動物を捕らえます。

東アフリカのコフラミンゴは、シアノバクテリア(藍藻類)の一種である Arthrospira fusiformis を主要な餌としています。一方、ほかのフラミンゴでは、シアノバクテリア、ブラインシュリンプ(アルテミア属)などの水生甲殻類なども重要な食物です。

こうした餌に含まれるカロテノイドが、フラミンゴの色彩を支えています。

ただし、羽毛の色は餌だけで決まるわけではありません。色素の吸収効率や代謝能力、体内での配分、羽毛の状態なども関係します。

フラミンゴは自分で羽毛の赤色を維持している

オオフラミンゴは、尾の付け根にある尾脂腺の分泌物を羽毛に塗る「化粧行動」を行います。

Amat et al.(2011)は、この分泌物にカロテノイドが含まれ、羽毛の色彩を鮮やかにすることを報告しました。

さらに、Chiale et al.(2021)は、尾脂腺の分泌物を塗らず、羽毛を日光にさらすと、羽毛の赤みが薄れることを実験的に示しました。カロテノイド色素は光によって退色するため、鮮やかな色を保つには継続的な維持が必要なのです。

このことから、フラミンゴの赤色は、単に色素を摂取した結果ではなく、色素の獲得と代謝、羽毛への配分、さらに色彩を維持する行動によって成立していることがわかります。

塩水湖や干潟・海岸に暮らすことがフラミンゴの大きな特徴

フラミンゴの進化を考えるうえで、フラミンゴが塩水湖や干潟・海岸で暮らすことは重要な要素です。

多くのフラミンゴの種類は甲殻類や藍藻類などの微生物を濾過摂食によって大量に取り込みます。これらに含まれる余剰なカロテノイドを別の用途に利用することができるのです。

そして、塩水湖や干潟・海岸で、泥の塚を作って巣作りをするため、天敵が非常に少ないです。

コフラミンゴが暮らす「死の湖」

コフラミンゴはさらに特殊な環境に生きています。

コフラミンゴが暮らすタンザニアのナトロン湖のような「死の湖」と呼ばれる湖は、極端に塩分が多いだけではありません。東アフリカの大地溝帯にあるソーダ湖では、高いpH、塩分や炭酸塩の多い水、強い日射、季節による水位変化などが重なり、多くの生物にとって厳しい環境が形成されています。

しかし、多くの生物にとって厳しい環境であっても、特定の微生物にとっては好適な生息環境となります。ナトロン湖などのソーダ湖には、アルカリ性や塩分に適応した微生物が生息し、シアノバクテリアの Arthrospira fusiformis などが繁殖します。

つまり、コフラミンゴはコフラミンゴにとって単なる過酷な場所ではありません。ほかの多くの生物が利用しにくい環境で、専門化した餌を得られる場所でもあるのです。

死の湖は捕食者から繁殖地を守る

ナトロン湖のもう一つの大きな特徴は、繁殖地が陸上の捕食者から隔てられていることです。

Brown(1971)は、コフラミンゴの繁殖生態について、ナトロン湖の繁殖地は湖の中央部にあり、捕食性哺乳類が到達できないことが大きな利点だと報告しました。

湖の広い水面や高温の泥地などは、捕食者が繁殖地に接近することを難しくします。こうした環境は、卵や雛を守るうえで有利に働きます。

一方、湖の水位が低下して陸地との間に通路ができれば、捕食者が接近できる可能性が高まります。実際、抱卵中のフラミンゴはハイエナなどに攪乱されると、一斉に繁殖を放棄することがあります(Brown, 1971)。

この点は、フラミンゴの赤色の進化を考えるうえで重要です。鮮やかな色彩が捕食者に見つかりやすくする可能性があっても、繁殖地そのものが捕食者の接近を妨げるなら、色彩によるコストが小さくなる状況が生じ得ます。

死の湖への適応は、フラミンゴの生存と繁殖に直結している

死の湖の過酷さは、コフラミンゴと無関係ではありません。水質が厳しいために利用できる生物が限られる一方、専門化したコフラミンゴには餌を得られる場所となります。さらに、繁殖地が捕食者から隔てられるという利点もあります。

ただし、死の湖がフラミンゴにとって常に安全というわけではありません。湖の水位や餌の量、微生物の種類や毒素、環境変化によって、むしろ生存を脅かす状況も起こります。

例えば、ナクル湖やボゴリア湖では、コフラミンゴの大量死とシアノバクテリア毒素の関係が研究されています。Krienitz et al.(2003)は、ボゴリア湖のシアノバクテリアから肝毒性を持つミクロシスチンや神経毒アナトキシン-aを検出し、コフラミンゴの大量死に寄与した可能性を示しました。

したがって、死の湖は「危険な環境だからこそコフラミンゴに安全」という単純な場所ではありません。餌の豊富さと捕食者からの隔離という利益がある一方、環境変化や毒素によるリスクも存在する、生態学的に特殊な場所なのです。

フラミンゴが赤くなった究極の理由は?

食物から取り込んだ色素によって赤くなることは、色彩が生じる仕組み、すなわち「至近因」です。

では、進化の過程で、なぜ赤い色を持つフラミンゴが維持されてきたのでしょうか。

この問いに答えるには、色が生存や繁殖にどのような利益をもたらすのかを考える必要があります。これが「究極要因」の問題です。

フラミンゴの赤色については、少なくとも次の三つの観点を区別して考える必要があります。

  1. 赤色が健康状態や個体の質を示す正直な信号として働く可能性(仮説1)
  2. その色彩が配偶者選択などの性選択によって強調される可能性(仮説2)
  3. カロテノイドが持つ抗酸化作用などの生理的機能(仮説3)

これらは必ずしも互いに排他的ではありません。生理的な機能を持つ色素が個体の質を反映し、その情報が繁殖相手の選択に利用されるという複合的な進化シナリオも考えられます。

仮説1:赤色は健康状態や個体の質を示す正直な信号

カロテノイドを利用する鳥類では、鮮やかな色彩が栄養状態や生理的なコンディションを示すことがあります。

カロテノイドを十分に獲得し、代謝し、羽毛などに配分できる個体ほど、鮮やかな色を維持しやすい可能性があるためです。

このように、色彩が個体の状態に関する情報を伝える働きを「正直な信号(honest signal)」と呼びます。ここでいう正直とは、個体が意図的に情報を伝えているという意味ではありません。色彩と個体の状態との間に、受け手が利用できる一定の関係があるという意味です。

オオフラミンゴの研究が示すこと

Amat et al.(2022)は、オオフラミンゴ(Phoenicopterus roseus)を対象に、採食場所、体の状態、性別と羽毛の色との関係を調査しました。

その結果、より鮮やかな色の個体は体の状態が良好な傾向を示しました。

著者らは採食場所での個体の状態や社会的な関係を示す可能性を指摘しています。

この結果は、フラミンゴの色彩が単なる装飾ではなく、採食能力や生理的なコンディションに関連する情報を伝えている可能性を支持します。

仮説2:赤色は繁殖相手を選ぶための性的シグナル

色鮮やかな羽毛が個体の質を示すなら、繁殖相手を選ぶ際にも役立つ可能性があります。

オオフラミンゴでは、羽毛の色彩と繁殖行動の関係が研究されています。Amat et al.(2011)は、羽毛の色彩と化粧行動が繁殖の開始時期などと関係することを報告しました。

フラミンゴの色彩は、固定された装飾ではありません。羽毛に色素を付着させる行動や繁殖期における個体の状態によって変化するため、色彩は異性に対して個体の状態や繁殖に関する情報を伝える可能性があります。

しかし、多くの性選択によって生まれた形質が性的二形であるのに対して、フラミンゴは雌雄ともに鮮やかな色彩を持ちます。

また、よくある哺乳類や鳥類の雄による雌へのアピールとは異なり、Amat et al.(2022)はむしろ雌は雄よりも色鮮やかで、体の状態も良好であることを示しました。

したがって、赤色の進化を雄だけの求愛装飾で説明することはできず、雌側もより良い子どもを生むために雄にアピールする必要があることを示唆しています。

赤色は健康のシグナルから、性的な装飾へ進化したのか

フラミンゴの赤い羽毛の進化を考えるうえで興味深いのが、正直な信号と性選択の関係です。

まず、カロテノイドを十分に獲得し、代謝して羽毛に利用できる能力が、個体の栄養状態や生理的なコンディションと関係しているとします。このとき、色鮮やかな羽毛は、個体の状態を反映する正直な信号として機能する可能性があります。

このような機能が成立していれば、色彩が繁殖相手の選択に利用されるための土台ができます。つまり、色彩が個体の質を示すという機能が、後に性選択に利用されるための「前適応」として働いた可能性があります。

性選択による色彩の進化を考えるうえで、重要な理論がフィッシャーのランナウェイ効果です(Fisher, 1930)。

この理論では、ある特徴を持つ個体を好む選好と、その特徴自体が遺伝的に結びついている場合、両者が世代を超えて相互に強化される可能性が考えられます。

例えば、色鮮やかな個体を好む選好が存在し、その色彩に遺伝的な変異があるとします。色鮮やかな個体が繁殖上の利益を得ると、色彩に関係する形質と選好の双方が集団内で増加する可能性があります。その結果、色彩がさらに誇張されていくことがあります。

まだこのことは実証されていませんが、現時点では次のような進化シナリオが考えられます。

  1. カロテノイドの獲得・代謝能力や個体の状態が、羽毛の色彩に反映される。
  2. 色彩が個体の質を示す正直な信号として機能する。
  3. その色彩が配偶者選択に利用されるようになる。
  4. 条件が整えば、ランナウェイ効果などの性選択過程によって色彩がさらに強調される。

これは、既存の研究結果と性選択理論を組み合わせた仮説です。フラミンゴの赤色が健康状態を示す機能だけで進化したとも、性的な装飾だけで進化したとも断定せず、両者が段階的に関与した可能性を検討することが重要です。

仮説3:カンタキサンチンの抗酸化作用は、フラミンゴの赤色の進化に関係するのか

フラミンゴの赤色を考える際、カロテノイドの抗酸化作用は無視できない論点です。

カロテノイドには、一重項酸素などの活性酸素を消去する能力があり、試験管内の実験では抗酸化作用が確認されています。カンタキサンチンも抗酸化活性を持つカロテノイドの一つです。

しかし、ここでは三つの問いを区別する必要があります。

  1. カンタキサンチンには化学的な抗酸化作用があるのか。
  2. その作用は鳥の体内でも生理的な利益をもたらすのか。
  3. その利益がフラミンゴの赤色を進化させたのか。

第一の問いについては、カロテノイドの化学的性質に関する研究が存在します。第二の問いについては、鳥類を対象とした実験やメタ分析が行われています。第三の問いについては、フラミンゴで直接実証されたとはいえません。

鳥類のカロテノイドと抗酸化能を調べたメタ分析

Simons et al.(2012)は、88種の鳥類を対象とした研究を統合し、カロテノイドに依存する色彩や血中カロテノイド濃度と、免疫機能・酸化ストレスの指標との関係を分析しました。

その結果、血中カロテノイド濃度は抗酸化能と正の関連を示しました。一方、羽毛などの色彩の赤みと酸化ダメージとの間には、有意な関連が認められませんでした。

この研究は、カロテノイドが鳥類の体内で抗酸化機能に関係する可能性を支持する一方、色鮮やかな羽毛が抗酸化状態の良さを示すわけではないことも示しています。

したがって、カロテノイドの抗酸化作用をフラミンゴの赤色の進化と結び付ける場合には、色素の化学的な性質と、実際の生理的な機能を分けて考える必要があります。

抗酸化作用が鳥類の体内で常に発揮されるとは限らない

Isaksson and Andersson(2008)は、シジュウカラを対象に酸化ストレスを実験的に誘導し、カロテノイドの摂取と羽毛の色彩への影響を調べました。

その結果、酸化ストレスによって血中カロテノイドの動員や羽毛への色素配分が変化するという予測は支持されませんでした。著者らは、鳥類の体内でカロテノイドが抗酸化物質として果たす役割について、単純な説明が成立するとは限らないと指摘しています。

Mohr et al.(2019)も、2種のカモ類にカロテノイドを補給した実験で、調べた組織の酸化ダメージに一貫した低下が認められなかったと報告しました。

フラミンゴのカンタキサンチンについて、直接わかっていること

オオフラミンゴの羽毛にはカンタキサンチンが多く含まれ、羽毛の赤みを維持するために利用されています。また、カロテノイドを含む尾脂腺の分泌物を羽毛に塗る行動も確認されています(Amat et al., 2011; Chiale et al., 2021)。

しかし、今回確認できた文献の範囲では、フラミンゴのカンタキサンチンが、野外で紫外線や酸化ストレスから個体を保護し、それによって生存率を高めたことを直接実証した研究は確認できませんでした。

カロテノイドの抗酸化作用は、フラミンゴの赤色の進化に関係する可能性のある生理的機能です。しかし、フラミンゴの赤色が「紫外線から細胞を守るための防護服」として進化した可能性は現状はかなり低いです。

天敵に目立つリスクより、赤色のメリットが大きいのか

ただ、赤色になることは天敵に目立つという大きなデメリットがあります。この点は問題ではないのでしょうか?

コフラミンゴに関しては、ナトロン湖内の湖の中央部や広い泥地など、陸上の捕食者が接近しにくい場所を繁殖地にしています(Brown, 1971)。

このような環境では、鮮やかな色彩によって鳥が発見されやすくなる可能性があっても、捕食者が実際に繁殖地まで到達すること自体が難しくなります。

つまり、捕食リスクはゼロになるわけではありませんが、環境によって軽減される可能性があります。

ただし、赤色による利益と捕食リスクを直接比較し、その収支を定量的に実証した研究は、現時点では確認できていません。

また、この説明はコフラミンゴのみでしか通用せず、別種でも同じかは分かりません。しかし、塩水湖や干潟・海岸には陸上哺乳類に関しても進出しにくいことから、他の鳥類からの捕食は考えられるものの、ある程度の説得力はあります。

フラミンゴはなぜ片足立ちするのか

フラミンゴの片足立ちについては、主に体温調節説と省エネルギー説が研究されています。

体温調節のため

鳥類の脚は羽毛に覆われていない部分が多く、水中や冷たい空気にさらされると熱を失いやすくなります。

片足を体に引き寄せれば、水や空気に触れる脚の表面積を減らせるため、熱損失を抑えられる可能性があります。

Anderson and Williams(2010)は、飼育下のカリブフラミンゴを観察し、水中では陸上よりも片足立ちをする個体の割合が高いこと、気温が高くなるほど片足立ちをする個体の割合が低下することを報告しました。

この結果は、片足立ちが体温調節に役立つという仮説を支持しています。ただし、この研究は行動の観察に基づくもので、片足立ちによる熱損失の減少量を直接測定したわけではありません。

エネルギーを節約するため

Chang and Ting(2017)は、フラミンゴの死体を用いた実験と生きた個体の姿勢の測定から、片足立ちの生体力学的な仕組みを調べました。

その結果、フラミンゴは関節の配置を利用することで、筋肉を強く働かせ続けなくても片足で体重を支えられることが示されました。

つまり、片足立ちは見た目ほど筋力を使い続ける姿勢ではない可能性があります。

長時間立って休息する鳥にとって、少ないエネルギーで姿勢を維持できることは有利に働くと考えられます。

体温調節と省エネルギーは、必ずしも対立する仮説ではありません。片足立ちによって熱損失を減らしながら、筋肉の活動も抑えられるなら、両方の利益を得られる可能性があります。

陸上にいるときよりも、水の中にいる方が片足立ちをする時間が長いことも分かっています。長時間湖の中で濾過摂食を行い、他の生活も行うフラミンゴにとって重要な適応だと考えられます。

まとめ:フラミンゴの赤色や片足立ちは何のために進化したのか

フラミンゴは塩水湖や干潟・海岸に暮らすことによって餌からカロテノイドを大量に摂取することが可能になっています。

特にコフラミンゴは死の湖で暮らし、高いpH、塩分、温度変化などは多くの生物にとって厳しい条件ですが、コフラミンゴには餌となる微生物が豊富で、繁殖地が陸上の捕食者から隔てられるという利点があります。これにより、鮮やかな色彩が捕食リスクを伴うとしても、そのコストが小さくなる状況が生じているかもしれません。

フラミンゴの赤色は、食物から取り込んだカロテノイドによって生じます。オオフラミンゴの羽毛ではカンタキサンチンが主要な色素の一つであり、尾脂腺の分泌物を羽毛に塗る行動によって、鮮やかな色彩が維持されています。

フラミンゴの色彩と体の状態、繁殖行動との関係には研究上の根拠があります。赤色が個体の質を示す正直な信号として働き、その機能が前適応となって性選択に利用され、さらにランナウェイ効果によって強調された可能性も考えられます。

カロテノイドには抗酸化作用がありますが、鳥類を対象とした研究では、見た目上のカロテノイド濃度と抗酸化能との関連は支持されていません。フラミンゴのカンタキサンチンが、紫外線や酸化ストレスから体を守ることによって赤色の進化を引き起こしたという直接的な証拠は、現時点では不足しています。

片足立ちについては、体温調節と省エネルギーの両方が関係する可能性があります。片足立ちは熱損失を減らし、関節の構造を利用して筋肉の活動も抑えられる姿勢だと考えられています。これは長時間塩水の中で濾過摂食を行うことと深く関係しているでしょう。

フラミンゴの赤色と片足立ちを理解するには、動物園での観察だけで進化の理由を決めつけるのではなく、生息環境と結び付けて考えることが重要です。

引用文献

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Amat, J. A., Garrido, A., Rendón-Martos, M., Portavia, F., & Rendón, M. A. (2022). Plumage coloration in Greater Flamingos Phoenicopterus roseus is affected by interactions between foraging site, body condition and sex. Ardeola, 69(2), 219-229. https://doi.org/10.13157/arla.69.2.2022.ra3

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花の定期便・ロスフラワー 「花の定期便(タスハナ)」公式サイトを見る 【ポスト投函・定期便】美しく新鮮でも規格外や試作品種などの理由で行き先を失った国産花を活用。市場から直送し、ポスト投函で気軽に受け取れる、ロスフラワー削減型の定期便です。
花束通販・ロスフラワー 「ロスレスブーケ」公式サイトを見る 【お手頃な花束購入】定期便ではなく、販売中のブーケから好きなものを都度購入し、宅配便で花束が送られるスタイル。廃棄される花を利用しているため、ボリュームのある花束を手に取りやすい価格で楽しめるのが特徴です。
フラワーギフト 「ギフトdeお花屋さん」公式サイトを見る 【キャラクター・動物】動物やキャラクターなどをモチーフにした、個性的でサプライズ感のあるフラワーギフトが特徴です。
フラワーギフト 「Flower&Plants tette」公式サイトを見る 【プロのおまかせ・オーダー】フローリストによるアレンジメントや、オーダーメイド感のある花ギフトが特徴。贈る相手やシーンに合わせて選びたい人向けです。
プリザーブドフラワー・フラワーギフト 「ベルビーフルール」公式サイトを見る 【長持ち・手入れ不要】水やりなどのお手入れ不要で、美しい状態を長く楽しめるプリザーブドフラワーが中心。結婚祝い・誕生日・退職祝い・お供えなど、幅広いシーンに対応したフラワーギフトを選べるのが特徴です。
法人向けフラワーギフト 「花秘書」公式サイトを見る 【開店・就任祝い】開店祝い・移転祝い・就任祝いなど、法人向けのお祝い花やビジネスギフトに特化。胡蝶蘭やスタンド花などを探す人に向いています。
総合フラワー通販 「Hana Prime」公式サイトを見る 【高コスパ・総合通販】花束・アレンジメントに加え、特に胡蝶蘭や法人向けギフトまで幅広く扱う総合フラワー通販。コスパが優れており、個人のプレゼントから開店・就任祝いまで、贈答用途を選びやすいのが強みです。
総合フラワー・観葉植物 「HitoHana」公式サイトを見る 【豊富な選択肢・おしゃれ】花だけでなく、小型から大型まで幅広い観葉植物を扱い、鉢カバー付きの商品や法人・オフィス向けの植物サービスにも対応。おしゃれなカラーリングや豊富なデザイン、細かなスタイル選びに強みあり。
観葉植物・インテリア 「AND PLANTS」公式サイトを見る 【インテリア観葉植物】おしゃれな観葉植物をインテリアとして楽しみたい人向け。植物そのものだけでなく、部屋との調和やデザイン性を重視するブランドです。
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