マエグロツリアブの日本国内記録と滋賀県の初記録を報告！（『月刊むし』掲載論文）

本記事では以下の雑誌にて公表した「滋賀県におけるマエグロツリアブの記録」の報文の下書きを掲載します。

引用方法：池田健一. 2021. 滋賀県におけるマエグロツリアブの記録. 月刊むし 610: 46. ISSN: 0388-418X

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マエグロツリアブの滋賀県初記録を想定して執筆したものです。

微細な表現などに変更が加わっている可能性はありますが、引用文献などは同様です。より正確なものをお求めな場合は雑誌よりご参照ください。

マエグロツリアブの国内分布状況
筆者の分布記録
引用文献

マエグロツリアブの国内分布状況

マエグロツリアブ Ligyra similis Coquillett, 1898 は国内では本州・四国・九州に分布するツリアブ科の一種で（日本昆虫目録編集委員会，2014；岩﨑，2021），クロバネツリアブ L. tantalus (Fabricius, 1794) とは翅の末端及び後縁部が透明であることから区別される（三枝，2008）．岐阜県（リバーフロント整備センター，1996），福井県（福井県自然環境保全調査研究会，1998；リバーフロント整備センター，1999），京都府（京都府自然環境保全課，2015b），兵庫県（新家，1989），鳥取県（佐藤・鶴崎，2010），山口県（柿沼，2011），徳島県（平井，1992），愛媛県（三枝，2008），宮崎県（岩﨑，2021）などで記録があるが，滋賀県琵琶湖環境部自然環境保全課 (2018)には記録はない．

筆者の分布記録

筆者は2010年8月6日12時頃に滋賀県近江八幡市沖島町‎宮ケ浜で本種の雌が琵琶湖湖岸の砂上で静止しているところを撮影していたのでここに報告する．

1♀(写真), 滋賀県近江八幡市沖島町‎宮ケ浜, 6. VIII. 2010, 筆者撮影.

砂丘（佐藤・鶴崎，2010）やハンゲショウ群落のある池（岩﨑，2021）に生息する例があることや，インターネット上では三重県の砂浜でクロバネツリアブと同所的に生息する例が見られたことから，本種も少なくとも生息地は河岸の草原や海浜に生息するクロバネツリアブ（京都府自然環境保全課，2015a）に類似する可能性がある．