オキナワシロヘリナガカメムシの日本国内記録と屋久島の新記録を報告!(『月刊むし』掲載論文)

動物
Elasmolomus squalidus

本記事では以下の雑誌にて公表した「屋久島におけるオキナワシロヘリナガカメムシの記録」の報文の下書きを掲載します。

引用方法:池田健一. 2021a. 屋久島におけるオキナワシロヘリナガカメムシの記録. 月刊むし 600: 61. ISSN: 0388-418X

オキナワシロヘリナガカメムシの屋久島初記録を想定して執筆したものです。

微細な表現などに変更が加わっている可能性はありますが、引用文献などは同様です。より正確なものをお求めな場合は雑誌よりご参照ください。

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オキナワシロヘリカムシの国内分布状況

オキナワシロヘリナガカメムシ Elasmolomus squalidus (Gmelin, 1790) は,四国,甑島(下甑島),大隅諸島(口永良部島),トカラ列島(中之島,宝島),奄美群島(奄美大島,徳之島,与論島),沖縄諸島(沖縄本島,久米島),慶良間諸島(座間味島,阿嘉島,久場島),宮古列島(宮古島),八重山列島(石垣島,西表島,波照間島);台湾,中国南部,東洋区,熱帯アフリカに分布し(石川・友国,2012;石川,2016),鹿児島県黒島でも記録があるが(中峯ら,2007),屋久島での記録は知られていないと思われる。

筆者による屋久島での記録

2017年11月28日17時台に屋久島永田の海岸で本種を撮影したので,ここに報告する。

1ex. (写真), 鹿児島県熊毛郡屋久島町永田, 28. XI. 2017, 筆者撮影.

オキナワシロヘリナガカメムシの背面
オキナワシロヘリナガカメムシの背面

砂浜上を徘徊する様子が確認された。植生としてはリュウキュウテリハノイバラ Rosa luciae f. glandulifera (Koidz.),ネコノシタ Wollastonia dentata (H.Lév. et Vaniot),アツバスミレ Viola mandshurica var. triangularis (Franch. et Sav.),ハマゴウ Vitex rotundifolia L.f. などが見られた。本種は地表性で,海岸に多いことが知られており(安永ら,1993),今回も同様の事例と思われる。

引用文献

石川忠・友国雅章,2012.ヒョウタンナガカメムシ科.石川忠・高井幹夫・安永智秀(編), 日本原色カメムシ図鑑 陸生カメムシ類 第3巻: 321-362.全国農村教育協会,東京.

中峯浩司・江平憲治・今村久雄,2007.鹿児島県三島村黒島における2006年7月の昆虫類.鹿児島県立博物館研究報告 26: 89-101.

石川忠,2016.ヒョウタンナガカメムシ科.日本昆虫目録編集委員会(編),日本昆虫目録 第4巻 準新翅類: 459-469.櫂歌書房,東京.

安永智秀・高井幹夫・山下泉・川村満・川澤哲夫,1993.日本原色カメムシ図鑑 陸生カメムシ類 第1巻.全国農村教育協会,東京.

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