【種子植物図鑑 #117】マツモ科の種類は?写真一覧

種子植物図鑑
Ceratophyllum demersum

マツモ科 Ceratophyllaceae は脆く硬い淡水性の沈水草本。根はなく、枝の変成した仮根で固着します。茎は伸長分岐し、葉は輪生し、数回分岐します。托葉はありません。花は雌雄同株または異株で、花被片(総苞片ともいう)は10個内外、雄花は先熟で、雄しべは10~20個ほど。雌花は雄花より上部に、おくれて生じ、1個の心皮(子房)をもちます。果実は核果、長卵形で、宿存する花柱をつけ、基部に少数の刺があり、また刺のないものもあります。冬には茎の先が短縮して越冬芽になります。1属よりなり、世界中の淡水に広く分布します。

本記事ではマツモ科の植物を図鑑風に一挙紹介します。

基本情報は神奈川県植物誌調査会(2018)に基づいています。写真は良いものが撮れ次第入れ替えています。また、同定は筆者が行ったものですが、誤同定があった場合予告なく変更しておりますのでご了承下さい。

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No.1126 マツモ Ceratophyllum demersum

多年草。キンギョモと呼ばれる水草の1つ。普通、水面下に浮遊しています。茎はよく分枝し、全長20~100cmになります。葉は長さ8~30mmで、5~8枚が輪生します。花期は6~8月。花は雌雄異型同株で、花粉は水中を漂い、雌花に達し、受粉します。果実の基部に2本の長い刺状突起があり、長く伸び宿存する柱頭とあわせ、3本の刺があるようにみえます。世界中の熱帯から温帯に広く分布し、北海道、本州、四国、九州、琉球に分布。池沼、貯め池、水路などに生育します。果実の基部にも2本の刺状突起があり、計4本の刺があるものをヨツバリキンギョモ(ゴハリマツモ)C. platyacanthum subsp. oryzetorum と呼びますが、同一株の中に2本の突起のみをもつものも混在するので、複数の果実を観察する必要があります。『角野水草94』(ゴハリマツモを使用)は、マツモの果実と連続する可能性があり、再検討が必要であるとしています。

マツモの葉

引用文献

神奈川県植物誌調査会. 2018. 神奈川県植物誌2018 電子版. 神奈川県植物誌調査会, 小田原. 1803pp. ISBN: 9784991053726

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