【種子植物図鑑 #020】マツブサ科にはどんな種類がいる?写真一覧

種子植物図鑑
Kadsura japonica

マツブサ科 Schisandraceae は常緑または落葉の木本で、つる性のものもあります。葉は単葉で互生し托葉はありません。花はふつう葉腋に単生し、萼と花弁の区別がなく、花被片は離生します。果実は集合果、液果が球状または房状に集まるか、袋果が放射状に並びます。東アジアから東南アジアと北アメリカ南東部に3属約73種が知られています。日本には3属5種が分布します。

本記事ではマツブサ科の植物を図鑑風に一挙紹介します。

基本情報は神奈川県植物誌調査会(2018)に基づいています。写真は良いものが撮れ次第入れ替えています。また、同定は筆者が行ったものですが、誤同定があった場合予告なく変更しておりますのでご了承下さい。

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No.0073 シキミ Illicium anisatum

別名ハナノキ。全体に無毛、傷をつけると抹香の香がします。葉は長楕円形で長さ4~10cm、全縁、柔らかい革質で光沢があり、側脈や細脈は不鮮明。花期は3~4月。花被片は黄白色で多数あります。雄しべは多数、心皮は6~18個が1列の放射状に配列します。本州(東北地方南部以南)、四国、九州、琉球;朝鮮半島、中国、台湾に分布。シキミ-モミ群集の標徴種。山地のモミ林内に多いですが、山地や丘陵地の雑木林内でも見られます。全体が有毒、特に果実は猛毒であるためかニホンジカの過度の採食の被害を免れ、多く生えている場所もあります。寺院や墓苑などに植栽されます。

シキミの葉上面
シキミの葉上面
シキミの葉下面
シキミの葉下面
シキミの葉序
シキミの葉序
シキミの樹皮
シキミの樹皮
シキミの未熟果
シキミの未熟果

No.0076 サネカズラ Kadsura japonica

別名ビナンカズラ。葉は楕円形で長さ5~13cm、やや厚く光沢があり、まばらに低鋸歯があります。冬季に紅葉しているものを見かけます。花期は8月。花は新枝の基部または短枝上に1個ずつ腋生し、花柄は長く、径約1.5cm。花被片は黄白色、9~15個あり、離生します。雄花は多数の雄しべが球状につきます。雌花は多数の心皮が球状につくきます。集合果は径2~3cm、赤色に熟します。種子は腎臓形で径約5mm。本州(関東地方以西)、四国、九州、琉球;朝鮮半島、中国に分布しています。丘陵地や山地の樹林下で普通に見られます。果実の(1)比較的小さな個々の離生(心皮)子房からなり、花托への付着部の基底部が狭まっているため鳥によって容易に除去できる。(2)離生子房は未熟時には緑色で食べられず、熟すると深紅から赤褐色になる。(3)果皮は多肉質で目立った匂いはなく、外果皮は硬くない。(4)離生(心皮)子房には通常1〜2個の小さな種子が入っており、ほとんどの鳥類の消化管を通過することが可能で、種子には硬い外種皮がある。といった特徴は nithochory と呼ばれ、鳥散布に適応しています(Saunders, 1998)。

サネカズラの葉上面
サネカズラの葉上面
サネカズラの葉下面
サネカズラの葉下面
サネカズラの未熟果
サネカズラの未熟果
サネカズラの果実
サネカズラの果実

引用文献

神奈川県植物誌調査会. 2018. 神奈川県植物誌2018 電子版. 神奈川県植物誌調査会, 小田原. 1803pp. ISBN: 9784991053726

Saunders, R. M. 1998. Monograph of Kadsura (Schisandraceae). Systematic botany monographs 54: 1-106. https://doi.org/10.2307/25096646

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