【種子植物図鑑 #122】ツヅラフジ科にはどんな種類がいる?写真一覧

種子植物図鑑
Stephania japonica

ツヅラフジ科 Menispermaceae は常緑または落葉のつる性木本、まれに直立の低木のものがあります。葉は互生し、単葉で掌状脈があります。托葉はありません。花序は腋生するものが多い。ふつう雌雄異株。果実は核果。熱帯地方に多く71属約450種が知られています。日本には6属8種が分布しています。

本記事ではツヅラフジ科の植物を図鑑風に一挙紹介します。

基本情報は神奈川県植物誌調査会(2018)に基づいています。写真は良いものが撮れ次第入れ替えています。また、同定は筆者が行ったものですが、誤同定があった場合予告なく変更しておりますのでご了承下さい。

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No.1159 アオツヅラフジ Cocculus trilobus

落葉つる性木本。別名カミエビ、ホウザンツヅラフジ。茎や葉に短い軟毛があります。葉はふつう卵形またはほこ形に3浅裂しますが、心形、円形のもの、浅裂のしかたもいろいろあり変異に富みます。花期は7~8月。花序は総状または花数の少ない円錐状。花は小型で黄緑白色、萼片は6個で小型のもの3個と花弁状のもの3個があり、花弁は6個で先端が2裂、雄花には雄しべ6個、雌花には雌しべ6個と仮雄しべ6個があります。核果はほぼ球形で藍黒色に熟し白粉を被ります。核は直径約5mm、アンモナイトに似た形をしています。北海道、本州、四国、九州、琉球;朝鮮半島、中国、台湾、フィリピン、インドに分布。低地の草原や道端、林縁などに生えます。

アオツヅラフジの葉上面
アオツヅラフジの雄花
アオツヅラフジの雌花
アオツヅラフジの果実

No.1164 コウモリカズラ Menispermum dauricum

落葉つる性木本。つるは木質化が弱く、ときに草質になります。葉はふつう5角状卵形で、ハート形から浅裂または中裂するものまであり変化に富みます。葉柄は葉身の中ほどにつき、盾形になります。花期は5~6月。腋生する円錐状花序に淡黄緑色の小さな花を多数つけます。核果はほぼ球形で、藍黒色に熟し白粉を被ります。北海道、本州、四国、九州;朝鮮半島、中国(北部、東北部)、シベリア東部に分布。山地や丘陵の林縁見られます。

コウモリカズラの葉上面
コウモリカズラの葉下面
コウモリカズラの雌花
コウモリカズラの未熟果

No.1165 ハスノハカズラ Stephania japonica

常緑つる性木本。別名イヌツヅラフジ。葉は互生。葉身は長さ5〜12cm、幅4〜10cmの三角状卵円形。ふちは全縁。両面とも無毛で、裏面はやや白色を帯びます。葉柄は長さ4〜12cmで、葉身に盾状につく。雌雄異株。花期は7〜9月。花は複散形花序。葉腋から出た花序に淡緑色の小さな花を多数つけます。花弁は3〜4個。雄花の萼片は6〜8個。雌花の萼片は3〜4個と少ない。雄花の雄しべ6個は合着して柱状、葯も合着して円盤状。雌花の雌しべは1個。果実は核果。直径6mmの球形で、11月頃赤く熟します。核はやや扁平で両側が凹み、周囲に鎖状の隆起があります。本州(東海地方以西)から四国、九州、琉球および朝鮮・中国・台湾・東南アジアに分布しています。海岸沿いの山地に生えます。

ハスノハカズラの葉上面
ハスノハカズラの葉下面
ハスノハカズラの雄花

引用文献

神奈川県植物誌調査会. 2018. 神奈川県植物誌2018 電子版. 神奈川県植物誌調査会, 小田原. 1803pp. ISBN: 9784991053726

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