ロウバイ科 Calycanthaceae は常緑の大木となる Idiospermum を除き、高さ2~4mの芳香性の落葉低木です。3属10種が知られており、分布は温暖な温帯・熱帯地方に限られます。Calycanthus(3種;北アメリカ西部と南東部、アジア東部に1種)。Chimonanthus(6種;東アジア)。Idiospermum(1種;オーストラリア、クイーンズランド州)。花は白色から赤色で、花弁は螺旋状に配列されています。DNAに基づく系統樹では、北半球の Calycanthus と Chimonanthus は中新世中期に分岐したが、オーストラリアの Idiospermum は白亜紀上部までにすでに分岐しており、白亜紀のロウバイ科の化石がブラジルで産出することから、かつて南米を含むゴンドワナ分布だった名残りである可能性が高いとされています。
本記事ではロウバイ科の植物を図鑑風に一挙紹介します。
基本情報は林(2014)に基づいています。写真は良いものが撮れ次第入れ替えています。また、同定は筆者が行ったものですが、誤同定があった場合予告なく変更しておりますのでご了承下さい。
No.0136 ロウバイ Chimonanthus praecox
落葉低木。葉身長8~20cm、最大幅は基部寄り~中央。葉柄3~8mm。葉は長い卵形で大きく、表面がざらつきます。全縁の大型葉が対生する木は少ないので、見分けやすいです。長さ4cm前後の袋状の実が、枝に長く残ることもよい目印。花は黄色で花期は12~2月。樹高2~5m。中国原産。庭木、公園樹に普通。
No.0136.1 ソシンロウバイ Chimonanthus praecox f. concolor
花の内側の花被が黄色いロウバイの品種。近年多く植栽されています。
引用文献
林将之. 2014. 樹木の葉 実物スキャンで見分ける1100種類. 山と溪谷社, 東京. 759pp. ISBN: 9784635070324
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