【種子植物図鑑 #127】スズカケノキ科の種類は?写真一覧

種子植物図鑑
Platanus x acerifolia

スズカケノキ科 Platanaceae は落葉高木。北アメリカ、ヨーロッパ南東部・トルコと、ベトナム付近(1種のみ)の温帯に隔離分布します。また街路樹・公園樹などとして世界的に栽培されている種類もあります。葉は互生。花は単性で小型の風媒花で、球形の頭状花序になります。雌雄同株。萼・花弁(雌花のみ)・雄蕊(雌花にも仮雄蕊がある)は各3~4個のものが多い。雌蕊は5~8個ほどが離生し、花柱の内側が長い柱頭となります。果実は閉果が多数集まり複合果となります。Platanus属は「プラタナス」として園芸で総称されます。

本記事ではスズカケノキ科の植物を図鑑風に一挙紹介します。

写真は良いものが撮れ次第入れ替えています。また、同定は筆者が行ったものですが、誤同定があった場合予告なく変更しておりますのでご了承下さい。

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No.1318 スズカケノキ Platanus orientalis

落葉高木(Flora of China)。高さ30m以下。若い小枝は密に黄褐色の綿毛があり、古くなると乾いて毛が落ち、赤褐色、皮目があります。托葉は長さ1cmより短い。葉柄は長さ3~8cm、綿毛があります。葉身は長さ9~18cm、幅8~16cm、深く(3~)5または7裂し、初め、両面に灰黄色の短毛があり、毛が落ち、葉裏の脈上にだけ短毛を残します。主脈は基部から3または5本。葉の基部は狭心形~類切形。中央裂片は長さ7~9cm、幅4~6cm、縁は分裂し、側裂片は短く、縁に粗い歯があります。花は4数性。雄花は萼片が短く、小さく、雄しべが花弁より長く、花糸は非常に短く、葯は長い。雌花は萼片に短毛があり、花弁は倒披針形、心皮は4個、花柱は長く、先は縮れています。果実をつける小枝は(2~)3~5個の果序をつけます。果序は直径2~2.5cmの頭状。痩果は長さ3~4mmの刺状の残存性の花柱があり、基部の毛は黄色、花柱も基部の毛も果序から突き出ます。花期は3~5月。果期は6~10月。アジア南西部、ヨーロッパ南東部原産。

スズカケノキの葉上面
スズカケノキの葉上面
スズカケノキの葉下面
スズカケノキの葉下面
スズカケノキの樹皮
スズカケノキの樹皮

No.1319 モミジバスズカケノキ Platanus x acerifolia

落葉高木(Flora of China)。アメリカスズカケノキとスズカケノキの交配種。葉の切れ込みや果序数は両種の中間、果実をつける小枝の果序数は普通2個。葉の切れ込みが深く、果実をつける小枝の果序数は普通3、4個。 落葉性、高さ30m以下。若い小枝は密に灰黄色の綿毛があり、古くなると赤褐色、無毛。托葉は長さ1~1.5cm。葉柄は長さ3~10cm、密の黄褐色の短毛があります。葉身は長さ12~25cm、幅10~24cm、(3~)5(~7)裂し、若い時には両面に灰黄色の短毛があり、後にほぼ無毛、葉裏の脈上にだけ短毛を残します。主脈は3(または5)、基部から伸び、または基部からの中脈に側脈が2(または4)本出ます。葉の基部はほぼ心形~切形。葉の裂片は全縁または縁に粗い1~2歯があり、中央裂片は広三角形、幅と長さが同長。花は普通、4数性。雄花は萼片が卵形、短毛があり、花弁が楕円形、長さが萼片の約2倍。雄しべは花弁より長い。葯は盾状につき、短毛があります。果実をつける小枝は(1~)2(~3)個の果序をつけます。果序は直径約2.5cmの頭状。痩果は長さ2~3mmの刺状の残存性の花柱があり、基部の毛は無いかごく短く、果序から突き出しません。花期は4~5月。南西アジア、ヨーロッパ、中国で栽培され、日本でも栽培されます。

モミジバスズカケノキの葉上面
モミジバスズカケノキの葉上面
モミジバスズカケノキの葉下面
モミジバスズカケノキの葉下面
モミジバスズカケノキの樹皮
モミジバスズカケノキの樹皮

No.1320 アメリカスズカケノキ Platanus occidentalis

落葉高木(Flora of China)。葉の切れ込みはモミジバスズカケの切れ込みより浅く、裂片は短い三角形。高さ40m以下。若い小枝は密に黄褐色の綿毛があります。托葉は長さ2~3cm、ラッパ形、早落性。葉柄は長さ4~7cm、密に綿毛があります。葉身は長さ8~20cm、幅10~22cm、(3~)5裂し、初め、両面に灰黄色の綿毛があり、すぐに毛が落ち、葉裏の脈上にだけ短毛を残します。主脈は3本、中脈の下から約1cmに、側脈が2本出します。葉の基部は広心形~切形~ほぼ楔形。葉の裂片は短い三角形、縁は多数の粗い歯があります。花は4~6数性。雄花は萼片、花弁が短く、小さい。花糸は非常に短い。葯は盾状につき、長い、結合部は無毛。雌花は基部に長軟毛があり、萼片は短く、小さい。花弁は萼片の長さの4~5倍。心皮は4~6個。花柱は長く、花弁より長い。果実をつける小枝は1(~2)個の果序をつけます。果序は直径約3cmの球形。痩果は先が鈍形、非常に短い残存性の花柱があり、基部の毛は痩果の長さの約1/2、果序から突き出ません。花期は3~5月。果期は6~10月。小川や湖の近くの漂砂土壌や湿った峡谷、時には高地、時には石灰岩の土壌に生えます(Flora of North America)。

アメリカスズカケノキの葉上面
アメリカスズカケノキの葉上面
アメリカスズカケノキの葉下面
アメリカスズカケノキの葉下面
アメリカスズカケノキの樹皮
アメリカスズカケノキの樹皮
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