マメ科 Fabaceae は維管束植物の中で、キク科、ラン科に次いで多数の種を含む大きな科で、食用などとして利用される多くの有用植物があって、人間生活とのつながりが深い。1~多年生の草本と木本を含み、つる性のものや巻ひげをもつものがよく見られる。葉は互生し、多くの種は羽状、掌状もしくは3出の複葉をもつ。葉柄と小葉の基部はやや太まって葉枕と呼ばれ、その部分の働きで多くの種の葉が就眠運動を行い、なかには接触刺激で葉を閉じる種もある。大部分の種を含むマメ亜科(ソラマメ亜科) Papilionoideae は典型的な蝶形花をもち、5枚の花弁は、雄ずい群と雌しべを包む2枚の竜骨弁、それを左右から支える2枚の翼弁、上位にあってふつう大型な旗弁に分化する。雄しべはふつう10本で完全に離生する種もあるが、9本が合着する2体雄しべか全部が合着する単体雄しべをもつものが多い。萼は合着して萼筒をつくり、先端は浅くまたは深く切れ込んで萼歯となり、ときには大きく上下2唇に分かれる。より原始的なジャケツイバラ亜科 Caesalpinioideae とネムノキ亜科(オジギソウ亜科) Mimosoideae は蝶形花ではなく、前者では1枚の花弁の形がやや異なる左右対称花をつけ、雄しべは離生、萼は5全裂する。後者では花は放射対称で、ほかの亜科と異なり蕾の中で花弁が重なりあわず縁を接して並んでいる。果実はどの亜科も、上下に縫合線のある、1心皮に由来する果皮と、それに包まれた種子からなり、豆果と呼ばれる。豆果はふつう熟すと裂開するが、裂開しない属もある。豆果のうち、種子と種子の間で果皮に関節ができるものは特に節果といい、裂開しない。種子は2枚の子葉に養分が蓄えられ、多くは胚乳を欠く。根には根粒菌が共生し、空気中の窒素を利用することができるため、貧栄養の荒地にも進出することができる。種子や果実を食用とするほか、家畜の飼料、薬用、園芸用、砂防用などに利用される多くの有用植物を含んでいる。世界中の熱帯~温帯を中心に約750属、約19,500種が知られ、日本には59属153種が自生し、ほかに多くの帰化種がある。
本記事ではマメ科の植物を図鑑風に一挙紹介します。
写真は良いものが撮れ次第入れ替えています。また、同定は筆者が行ったものですが、誤同定があった場合予告なく変更しておりますのでご了承下さい。
- No.1456 ギンゴウカン Leucaena leucocephala
- No.1458 ギンヨウアカシア Acacia baileyana
- No.1459.a フサアカシア Acacia dealbata
- No.1459.b モリシマアカシア Acacia mearnsii
- No.1460 ネムノキ Albizia julibrissin
- No.1462 ハナズオウ Cercis chinensis
- No.1462.a オオホウカンボク Brownea grandiceps
- No.1463 カワラケツメイ Chamaecrista nomame
- No.1464 ハブソウ Senna occidentalis
- No.1465 エビスグサ Senna obtusifolia
- No.1465.a コバノセンナ Senna pendula
- No.1465.b ハネセンナ Senna alata
- No.1466 ジャケツイバラ Caesalpinia decapetala var. japonica
- No.1472 ヒメモダマ Entada phaseoloides
- No.1473.a シカクマメ Psophocarpus tetragonolobus
- No.1475 クララ Sophora flavescens
- No.1485 ムラサキセンダイハギ Baptisia australis
- No.1488 タヌキマメ Crotalaria sessiliflora
- No.1488.a コヤシタヌキマメ Crotalaria juncea
- No.1490.a タヨウハウチワマメ Lupinus polyphyllus
- No.1490.b テキセンシスハウチワマメ Lupinus texensis
- No.1492 エニシダ Cytisus scoparius
- No.1492.a ヒメエニシダ Cytisus x spachianus
- No.1492.b イタチハギ Amorpha fruticosa
- No.1495 シロツメクサ Trifolium repens
- No.1496 ムラサキツメクサ Trifolium pratense
- No.1498.a コメツブツメクサ Trifolium dubium
- No.1498.b クスダマツメクサ Trifolium campestre
- No.1502 ムラサキウマゴヤシ Medicago sativa
- No.1503 ミヤコグサ Lotus corniculatus subsp. japonicus
- No.1504 セイヨウミヤコグサ Lotus corniculatus subsp. corniculatus
- No.1505 コマツナギ Indigofera pseudotinctoria
- No.1510 フジ Wisteria floribunda
- No.1510.1 シロバナフジ Wisteria floribunda f. alba
- No.1512 ナツフジ Wisteria japonica
- No.1520 ゲンゲ Astragalus sinicus
- No.1523 レブンソウ Oxytropis megalantha
- No.1526 ハリエンジュ Robinia pseudoacacia
- No.1526.1 トゲナシハリエンジュ Robinia pseudoacacia f. inermis
- No.1530 マルバヌスビトハギ Hylodesmum podocarpum subsp. podocarpum
- No.1531 ヌスビトハギ Hylodesmum podocarpum subsp. oxyphyllum var. japonicum
- No.1532 ヤブハギ Hylodesmum podocarpum subsp. oxyphyllum var. mandshuricum
- No.1537 フジカンゾウ Hylodesmum oldhamii
- No.1539.a アレチヌスビトハギ Desmodium paniculatum
- No.1543 ミヤギノハギ Lespedeza thunbergii subsp. thunbergii f. thunbergii
- No.1544.1 ニシキハギ Lespedeza thunbergii subsp. thunbergii ‘Nipponica’
- No.1547 ヤマハギ Lespedeza bicolor
- No.1548 マルバハギ Lespedeza cyrtobotrya
- No.1549 キハギ Lespedeza buergeri
- No.1551 ネコハギ Lespedeza pilosa
- No.1553 メドハギ Lespedeza cuneata var. cuneata
- No.1553.1 ハイメドハギ Lespedeza cuneata var. serpens
- No.1554 ヤハズソウ Kummerowia striata
- No.1559 スズメノエンドウ Vicia hirsuta
- No.1560 カスマグサ Vicia tetrasperma
- No.1561 ヤハズエンドウ Vicia sativa subsp. nigra
- No.1569.a ナヨクサフジ Vicia villosa subsp. varia
- No.1569.b ナヨクサフジモドキ Vicia villosa subsp. eriocarpa
- No.1571 ナンテンハギ Vicia unijuga
- No.1576 ソラマメ Vicia faba
- No.1581 ジャコウエンドウ Lathyrus odoratus
- No.1582 ハマエンドウ Lathyrus japonicus
- No.1584 シロエンドウ Pisum sativum var. macrocarpon
- No.1585 アカエンドウ Pisum sativum var. arvense
- No.1585.a ヒラマメ Lens culinaris
- No.1586 ツルマメ Glycine max subsp. soja
- No.1587 ダイズ(エダマメ) Glycine max subsp. max
- No.1594 インゲンマメ Phaseolus vulgaris var. vulgaris
- No.1596.a ヒスイカズラ Strongylodon macrobotrys
- No.1596.b ヒトツバマメ Hardenbergia violacea
- No.1606 トキリマメ Rhynchosia acuminatifolia
- No.1609 ノササゲ Dumasia truncata
- No.1610 ヤブマメ Amphicarpaea edgeworthii var. japonica
- No.1610.1 ウスバヤブマメ Ampnicarpaea edgeworthii var. trisperma
- No.1611 クズ Pueraria lobata subsp. lobata
- No.1612 トビカズラ Mucuna sempervirens
- No.1615 デイゴ Erythrina variegata
- No.1616 カイコウズ Erythrina crista-galli
- No.1616.a サンゴシトウ Erythrina x bidwillii
- No.1616.b ハナモツヤクノキ Butea monosperma
- 引用文献
No.1456 ギンゴウカン Leucaena leucocephala
別名ギンネム。常緑低木~小高木(樹に咲く花 離弁花2)。高さ4~6m。葉は互生、2回偶数羽状複葉、6~8対の羽片がつき、長さ6~10cm。小葉は14~16対つき、長さ8~13mm、幅2~3mm、両面とも無毛。通年、枝先に白い小さな花が球状に多数集まって咲く。果実は長さ10~17cm、幅1.5~2cmの扁平な豆果で、楕円形の種子を10~25個含む。メキシコ~中米原産で、熱帯地方全体に帰化し、乾燥した道端、駐車場、放棄された土地に生える。日本では緑化や緑肥、砂防などを目的として、1862年に小笠原諸島、1910年以降に先島諸島に導入されたものが帰化してる。飼料、緑肥とバイオマス生産、若い莢の食用、製紙用パルプ材として利用されるが、世界の侵略的外来種ワースト100、日本の生態系被害防止外来種リストの重点対策外来種にも含まれる。アレロパシーがあり、葉にはミモシンやp-ヒドロキシ桂皮酸、プロトカテク酸、没食子酸などの特定のフェノール化合物などの植物毒性アレロケミカルが含まれ他の植物を排除する(Chou & Kuo, 1986)。葉柄上の花外蜜腺に示すような花外蜜腺は、アリが植物の葉で絶えず採餌し続ける役割を担っている(Damascena et al., 2017)。このアリの訪問は、花や果実の生産を促進し、害虫の被害を軽減すると考えられている。ブラジルの研究ではハリナシバチの一種 Tetragonisca angustula が唯一の花粉媒介者として挙げられていて、同じくハリナシバチの一種 Trigona spinipes は小さく雄しべと雌しべに触れない上に巣を作るための繊維を得るために芽を傷つけるため受粉に貢献せず繁殖にも悪影響があるとしている(Damascena et al., 2017)。しかし世界に広く分布していることから訪花昆虫の種類はもっと多いものと思われる。
No.1458 ギンヨウアカシア Acacia baileyana
別名ミモザ(林,2014)。小高木。樹高4~8m。長さ4~8cmの2回偶数羽状複葉。羽片は2~5対。小葉は8~25対、長さ4~6mm。小型の2回羽状複葉が枝にらせん状につき、木全体が青白く見えるので見分けやすい。花期はオーストラリアで6~9月(Entwisle et al., 1996)。花序は総状で、頭部は球形、20〜25輪、鮮やかな黄色、花柄は長さ4〜7mm。莢はまっすぐかわずかに曲がって平たく、長さ4~11cm、幅8~14mm、不規則にくぼみ、褐色から黒色、ときにワックス状または白っぽい。若葉が紫色を帯びる栽培品種’プルプレア’がある。オ一ストラリア原産。暖地で時に庭木、公園樹。
No.1459.a フサアカシア Acacia dealbata
別名ミモザ、ワットルジュ(林,2014)。高木。樹高7~15m。長さ7~16cmの2回偶数羽状複葉。羽片は8~22対小葉は30~45対、長さ4~6m。葉形はネムノキに似るが、葉のサイズはずっと小さい。葉は両面に細かい軟毛があり、若葉や若枝ほど白みを帯びるので木全体が青白く見える。花穂は球形で25〜35輪、鮮やかな黄色、花柄は長さ5mmほど(Entwisle et al., 1996)。莢は直立またはわずかに曲がって平たく、長さ5~9cm、幅8~12mm、わずかにくぼみ、淡褐紫色で、しばしば白っぽい。オーストラリア原産。日本では暖地で庭木、公園樹街路樹、砂防樹にやや稀。
No.1459.b モリシマアカシア Acacia mearnsii
高木(林,2014)。長さ7~16cmの2回偶数羽状複葉。羽片は10~20対。小葉は羽片に30~60対、長さ2~3mm。フサアカシアに比べ、葉は暗い緑色で青白さはなく、小葉は小型で数が多い。樹皮は両種とも平滑で縦すじがある。花期はオーストラリアで9~11月(Entwisle et al., 1996)。花序は総状花序または円錐花序。頭は球形、20~30個の花が咲き、淡黄色、花柄は長さ8mmまで。莢はほぼまっすぐ、長さ5~10cm、幅5~8mm、種子は間が強くくびれ、暗褐色から黒色。オーストラリア原産。開けた森、ヒースの森、開墾された土地、特に乾燥した浅い土壌に生える。日本では暖地で庭木、公園樹、砂防樹に稀。
No.1460 ネムノキ Albizia julibrissin
落葉高木。葉は大型の偶数2回羽状複葉で、小葉は包丁形をし、顕著な就眠運動をする。6~7月に枝先に多数の頭状花序をつける。花は2形。1花序に1~2個ある頂端につく花は無柄または短柄、花冠は筒状で長く10~12mm、雄しべは中部まで合着。頂端以外につく花は無柄、花冠は短く5~7mm。花冠から長く突き出す花糸は長さ3~4cmあり、赤く染まって美しい。豆果は偏平で無毛、長さ約10cmになる。本州、四国、九州;南アジア一帯に広く分布する。丘陵地や山地の明るい林や林縁、土堤などに生える。
No.1462 ハナズオウ Cercis chinensis
落葉低木(樹に咲く花)。高さ2〜4mになる。葉は互生。単葉で長い葉柄がある。葉身は長さ5〜10cm、幅4〜10cmの広楕円形または円形。先はとがり、基部はハート形。掌状の脈がある。表面は光沢があり、裏面は脈の基部に毛がある。葉の展開前に、前年枝や古い枝に紅紫色の花が束生する。花期は4月。花は長さ約1cm。蝶形花に似ているが、旗弁がもっとも小さく、翼弁の内側に位置する点が異なる。萼は鐘形で、先は浅く5裂する。雄しべは10個で、花糸はすべて離生する。果実は豆果。長さ5〜7cm、幅1〜1.5cmあり、上側の縫合線に狭い翼がある。表面は無毛。なかには5〜8個の種子が入っている。種子は直径約4mmの円形。中国原産。古くから庭などに植栽されている。
No.1462.a オオホウカンボク Brownea grandiceps
常緑低木。漢字は大宝冠木で由来は花の形が宝冠のようであるからという。高さ16m以下、幹は短く真っすぐで、直径20~30cm、灰褐色、浅い溝がある。若い小枝は密に褐色の毛がある。成長は遅く、枝は丈夫で、長さ約6mにもなる。シュートや葉柄に綿毛がある。葉は互生、長い偶数羽状複葉、葉柄+葉軸は長さ25~45cm。托葉は明瞭、ごく長く、長さ7~16cm。小葉は2~14対つき、羽片は長円形~披針形、先は剛毛状に尖る。葉が展開するときには垂れ下がり、淡緑色で、微細なピンク色とクリーム色の斑点がある(まだらになる)が、成熟すると褐ピンク色になり、やがて緑色の一色になる。頭状花序は美しく、球形、円錐形、または頭状、直径14~18cm、普通、葉の下にぶら下がり、花が多数つき、各花から雄しべと花柱が突き出る。花序柄+花序軸は長さ3~4.5cm。小苞は長さ2.25~3cm。花柄は長さ9~13mm。花は外側の輪から咲き始める。花は明るい赤色、長さ5~8cmの筒状、5個の倒卵形の花弁をもち、花弁は長さ4.5~5.25cm。雄しべは長さ約6㎝、花糸の下部の統合部分は長さ12~15mm。子房は長さ約10mm。花柱は長さ3~4.5cm。豆果の莢は約長さ25cm、褐色、扁平長い褐色の柔毛で覆われ、種子を1~4個入れる。種子は幅約4cm、厚さ1.2cm、灰色。ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー原産で、ブラジルやインドネシアで栽培されている。
No.1463 カワラケツメイ Chamaecrista nomame
1年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は直立して高さ40~50cmになり、短毛が多く、よく枝分かれする。葉軸基部の上面に1個の蜜腺がある。小葉は狭長楕円形で先端が尖り、15対以上つく。葉腋から短い花柄を出し、8~9月に1~2個の黄色い花をつける。豆果はやや偏平で長さ3~4cm、短毛が密生する。熟すと裂開し、平行4辺形をした偏平で光沢のある種子をはじき飛ばす。本州、四国、九州;朝鮮、中国に分布する。日当たりのよい草原に生える。
No.1464 ハブソウ Senna occidentalis
別名クサセンナ(神奈川県植物誌調査会,2018)。高さ1.5mほどになる多年草。小葉は3~6対つき、ほぼ無毛。葉柄基部に1個の蜜腺がある。花序は短い総状、豆果は長さ10~12cm、種子を薬用または飲用として利用するために栽培され、稀に逸出した個体が採集されている。熱帯アメリカ原産。
No.1465 エビスグサ Senna obtusifolia
1年草(日本帰化植物写真図鑑)。熱帯アメリカ原産。江戸時代に中国より薬用として渡来し、本州〜南西諸島の畑地、樹園地、牧草地、道ばたなどに生育する。茎は直立、分枝があり高さは50〜200cm。葉は互生、偶数羽状複葉を形成し、小葉は2〜4対で3対が多く、倒卵形〜楕円形で長さ3〜4cm、葉柄上に1個の蜜腺がある。花期は夏。花は葉腋から伸びた10〜20mmの花柄に1〜2個つける。萼は長卵形。花弁は倒卵形で黄色、左右相称。果実は豆果、円柱形で長さが約15cm、25〜30個の種子を入れる。種子は菱形で長さ5mm、茶褐色。種子繁殖する。
No.1465.a コバノセンナ Senna pendula
常緑低木。高さ1~2m。寒冷地では冬に落葉するか枯れる。茎は放任するとつる状に伸びる。葉は互生する長さ4~8cmの偶数羽状複葉で、3~6対の小葉からなる。小葉は倒卵形~広卵形で、葉の縁がオレンジ色を帯びる。葉腋に総状花序を出し、5~15個の花をつける。花は鮮やかな黄色の5弁花で、花弁は長さ1.5~2cmでまるく、雄しべは10本ある。雄しべは左右対称の2本の長い雄しべ(受粉雄しべ)、1本の中くらいの中央雄しべ、4本の短い中央雄しべ(摂食雄しべ)、および3本の花粉を生産しない仮雄しべから構成される。蜜は分泌しない。果実は長さ13~18cmで円柱形の豆果だが、結実はまれ。果実の中には35~55個の種子がある。南アメリカ原産でメキシコ南部からコロンビアに分布し(Flora de Nicaragua)、オーストラリア東部ではクイーンズランド南東部とニューサウスウェールズ州の沿岸および沿岸地域で、水路、庭園、乱れた場所、荒れ地、道端に帰化する。ブラジルでの研究では大型のクマバチ属 Xylocopa、マルハナバチ属 Bombus、油を集めるハナバチ類 Centris が効果的な送粉者であり、一定の位置ですべての葯を同時に振動して花粉を落とす「振動送粉」を行われることが確認されている(Pinheiro-Costa et al., 2018)。ハナバチ類は振動時に振動が加えられている間、2本の長い雄しべから放出された受粉用の花粉を背部に受け取る。4本の短い中央雄しべにはハナバチ類の餌となる花粉が含まれている。1本の中くらいの中央雄しべからの花粉は低い稔性となっており、役割がなく雄しべ減少の進化過程に関連していると解釈される。仮雄しべは中央の短い雄しべと合わさって、人間の目には明るい白い反射率を持っていることからもシグナル伝達機能を持っている可能性がある。
No.1465.b ハネセンナ Senna alata
常緑低木。高さ1~4m。寒冷地では冬に落葉するか枯れる。葉は互生する長さ20~75cmの偶数羽状複葉で、7~14対の小葉からなり、先端につく一対が最大の大きさになる。小葉は長さ5~20cmの長楕円形~長楕円状倒卵形で、葉脈が明瞭、葉先は丸い。葉は夜になると閉じる。葉腋や茎先に長さ15~70cmほどの総状花序を出し、多くの花を密につける。花は鮮やかな黄色の5弁花で、花弁は長さ1.5~2cmで丸く、雄しべは10本ある。花序は黄色いロウソクのように見える。果実は長さ10~20cmの豆果で4枚の翼が発達し、50~70個の種子がある。熱帯アメリカ原産でメキシコと西インド諸島からパラグアイに分布し、東南アジア、北オーストラリア、アフリカの範囲で観賞用および薬用に栽培される。2本の長い雄しべから放出された受粉用の花粉を背部に受け取る(Luo et al., 2009)。4本の短い中央雄しべにはハナバチ類の餌となる花粉が含まれている。葉には白癬やその他の皮膚の真菌感染症を治療するための非常に効果的な殺菌特性があるとされる。
No.1466 ジャケツイバラ Caesalpinia decapetala var. japonica
つる性の落葉低木(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎や葉軸に鋭い逆刺が並び、樹木などにからみついてよじ登っていく。葉は偶数2回羽状複葉で、小葉は長楕円形。5~6月に長い柄をもつ黄色い花を、頂生の総状花序につける。花は径約2.5cmで、花弁は開出し、最上位の1枚はやや小さい。豆果はやや膨らみ長さ約10cm。本州(関東地方以西)、四国、九州、琉球;中国、ヒマラヤに分布する。崩壊地、林縁、河原など日当たりのよい場所に生える。
No.1472 ヒメモダマ Entada phaseoloides
つる性の木本(野の花賛花)。茎は太く、毛がない。葉は2回羽状複葉で、長さ約20cm。羽片2対あり、3~4対の小葉が対生する。小葉はやや歪んだ長楕円形~卵円形で、長さ5~7cm。革質で光沢がある。葉軸の先端は2分枝する巻きひげ状になる。花期は5~8月。花は葉腋に長さ10~25cmの穂状花序になり、黄緑色の放射相称花を多数つける。果実(豆果)は線形で木質、長さ35~50cm、幅7cm。種子は扁平で長さ3~5cm、幅3~4.5cm、中央が山形に膨らむ。モダマでは1羽片につく小葉は1~2対、種子も大きく長さ5~6.5cm、幅4~6cmで、中央が山形に膨らまない。日本の沖縄県以南を含む熱帯・亜熱帯アジアと太平洋諸島および北東オーストラリアに分布し、山地の沢沿いの斜面、林縁に生える。種子を海流によって散布する海流散布を行い、1年以上海水中に放置していたものが発芽した記録もある(茨木,2013)。
No.1473.a シカクマメ Psophocarpus tetragonolobus
つる性多年草だが、寒さに弱いので日本では一年草。地下に塊根ができる。茎は高さ3~4mまで伸びる。葉は互生する3出複葉で、長い葉柄がある。花は葉腋につく蝶形花で、白色、淡紫色または青色。果実は長さ15~30cmになる豆果で、断面は四角く、稜の上に翼状の襞がある。莢は緑色または赤紫色になる。種子は5~20粒入る。原産地はアジアかアフリカだと考えられているが、野生種が現存していないため不明。同属の種はアフリカに多いためアフリカ原産とするのが妥当にも思えるが、アジアに分布していた個体群が絶滅して現存の全てが栽培種になったと解釈もでき分子系統解析が行われた現在でも確定していない。水田の境界線、生け垣、またはフェンスに沿わせて栽培される。葉、花、根、豆の莢が生でも食べることができ、豆も調理すれば食用になり、栄養素も豊富であることから多目的食用作物として注目されている。
No.1475 クララ Sophora flavescens
有毒の多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は直立して1m以上に達し、茎、花柄、葉柄、豆果などに短軟毛が多い。上部で枝を分け、枝先に総状花序をつける。花は6~7月に開花し、淡黄色でときに紫色を帯びる。萼筒の先は斜めに切れ、萼裂片は低い。豆果は長さ7~8cmで、所々がくびれる。本州、四国、九州;朝鮮、中国、シベリアに分布する。林縁や土堤などに生える。花が淡紫色を帯びるものをムラサキクララ f. galegoides といい、稀に記録される。
No.1485 ムラサキセンダイハギ Baptisia australis
多年草。高さ1~1.5mになる。茎は直立して枝分かれし、無毛で、葉とともにやや粉白色を帯びる。葉は互生する3出複葉で、小葉は長さ1.8~3.8cmの倒披針形~倒卵形。托葉は線状披針で、葉柄の基部につく。花期は5~7月。茎先や葉腋に長さ30cmほどの総状花序を出し、青~紫色の蝶形花をつける。苞は線状披針形。果実は長さ2.5~7.5cmの長楕円形の豆果で、多数の種子がはいり、熟すと黒くなる。北アメリカ東部(ニューヨーク州北部からノースカロライナ州、ジョージア州北部、西部からネブラスカ州、テキサス州、バージニア州)に分布する(Gleason & Cronquist, 1991)。
No.1488 タヌキマメ Crotalaria sessiliflora
1年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は直立して6~70cmに達し、葉は線形で1小葉。7~9月に開花し、茎の先に青紫色の花を総状につける。萼は花後に伸びて、豆果をおおう。豆果は長さ12mm前後で、熟して裂開する。本州、四国、九州、琉球;朝鮮、中国、東南アジアに分布する。草地や路傍に生える。
No.1488.a コヤシタヌキマメ Crotalaria juncea
別名クロタラリア、サンマ、サンヘンプ(神奈川県植物誌調査会,2018)。1年草。茎、枝、葉、果実などに褐色の短軟毛を密生する。茎は高さ60~80cm、よく分枝する。葉は1小葉、長さ5~6.5cm、狭卵形~狭長楕円形、中肋は突出し先が尖る。花は黄色、茎の上部に総状につき、長さ2~2.2cm、旗弁は大きく、舟弁は翼弁よりわずかに大きい。萼は長さ1.5~2cm、5枚で基部近くまで切れ込み、軟毛が密生する。豆果は円筒形、長さ2~3.5cm、幅0.8~12mm。インド原産の帰化植物で緑肥や繊維作物として栽培されることもあり、ときに逸出している。
No.1490.a タヨウハウチワマメ Lupinus polyphyllus
多年草(Flora of Pakistan)。茎は艶がある。葉は掌状複葉で、9〜17枚、披針形、尖頭、上面は光沢があり、下面は光沢がある。花序は非常に長く、多花性。萼裂片は全体または微小な歯がある。花冠は萼の3倍ほどの長さで、青、紫、赤、白色。果実は平らで、成熟すると黒色で、密な軟毛があり、毛が付着している。北アメリカ原産で、日本を含む各国で観賞用に栽培される。
No.1490.b テキセンシスハウチワマメ Lupinus texensis
別名ブルーボネット、ブルーボンネット。一年草。高さ50cmほどになる全体に白色の毛がはえる。茎は直立する。葉は互生する掌状複葉で、5~7個の小葉がつく。小葉は長さ3~10cmで楕円形。長い葉柄がある。茎先に長さ20~50cmの総状花序が直立し、密に花がつく。花は青色の蝶形花で、旗弁に白~黄色の斑点がある。果実は豆果で表面に毛が生える。北アメリカ(テキサス州)原産で日本を含む各国で観賞用に栽培される。
No.1492 エニシダ Cytisus scoparius
ほうき状に分枝する落葉低木で、枝が濃緑色なので常緑性のように見える(神奈川県植物誌調査会,2018)。枝先はしばしば垂れ下がる。枝や茎は有毛で4~5本の稜があり角ばる。葉はふつう3小葉だが、1小葉に退化することも多い。小葉は長さ7~13mm、幅4~6mm。5月に開花し、葉腋にふつう1花をつける。花は黄色で長さ約15mm。観賞用として庭園によく栽培され、逸出して野生化することがある。
No.1492.a ヒメエニシダ Cytisus x spachianus
暖地で鉢植えや庭木にされる常緑の雑種(林,2014)。エニシダに比べ、葉柄が長く、花は枝先に房になってつき、樹高1m前後。
No.1492.b イタチハギ Amorpha fruticosa
別名クロバナエンジュ(神奈川県植物誌調査会,2018)。落葉低木。頂小葉をもつ羽状複葉で小葉はややずれてつき、下面に腺点がある。葉だけだと、ハリエンジュやクララなどと間違われることがあるが、この腺点がよい特徴になる。5~6月に枝先に数個の穂状花序をつけ、多数のほぼ無柄の黒紫色の花をつける。雄しべは花弁から伸び出し、橙色の葯が目立つ。豆果は長さ約1cmで、表面には、萼とともに水ぶくれ状の腺点がある。北アメリカ原産の帰化植物で、砂防用に植栽されたものが、野生化して広がっている。川原や路傍に生え、林道工事などに伴って山地にも多数が植栽され、野生化している。
No.1495 シロツメクサ Trifolium repens
多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は地上をはい、ところどころの節から根を出す。葉と花序はそれぞれ長い柄をもち、立ち上がる。葉は3小葉で両面無毛。花は白色で、ほぼ球形の花序をつくる。萼と花冠は宿存し、枯れた姿で豆果を包む。ヨーロッパ原産の帰化植物で、江戸時代末期に持ち込まれたが、その後、牧草として輸入されたものが全国に広がった。路傍や空き地、農耕地周辺などに生える。また、砂防や林道の工事に伴い、山地にも進入している。花が淡紅色のものはモモイロシロツメクサ f. roseum といい、母種に混ざって稀に見られる。
No.1496 ムラサキツメクサ Trifolium pratense
別名アカツメクサ(神奈川県植物誌調査会,2018)。多年草。葉は花序に接した1対が対生するほかは互生。花序は頂生し、花柄が短いので対生する葉の間に半ば埋まりほぼ球形。花は淡紅色、ほとんど無柄。萼は筒形で先は5裂、最下片はほかの4個の萼歯のほぼ2倍の長さがある。ヨーロッパ原産の帰化植物で、牧草として明治維新の頃に渡来し、その後、全国に野生化した。山地の高所を除いて広く分布し、農耕地周辺の土手や路傍に生える。花が白いものはシロバナアカツメクサ(別名セッカツメクサ) f. albiflorum といい、母種に混ざって稀に採集される。
No.1498.a コメツブツメクサ Trifolium dubium
1年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は立つか地表に広がって高さ20~40cm。葉は3小葉、小葉は楕円形から倒卵形。頂小葉の先端は鈍頭からやや凹む。長さ1~2cmの葉より長い枝を葉腋から出し、頂に花柄の短い淡黄色の花を5~15個つける。萼は5裂し、中~下部の裂片は萼筒より長い。花は後に淡褐色に変わり豆果を包む。ヨーロッパ原産の帰化植物。路傍や空き地に生える。牧野の標本から明治時代に渡来したことが分かっており、東京赤羽付近で採集されたものに和名を与えた。その後、日本各地に帰化し、本州(中部以南)ではやや普通に見られる。
No.1498.b クスダマツメクサ Trifolium campestre
1年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。コメツブツメクサに似るが、葉、花ともにやや大きい。花序には20~30個の花をつけること、花冠は果時に著しく大きくなることで区別できる。ヨーロッパ原産の帰化植物。横浜に帰化したから、上記の和名をつけた。その後、本州の所々から散発的に採られているが、コメツブツメクサより少ない。
No.1502 ムラサキウマゴヤシ Medicago sativa
多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は直立し、高さ80cmに達し、上部で分枝する。小葉は狭楕円形で長さが幅の3~6倍あり、この点だけでもウマゴヤシ属のほかの種と見分けられる。托葉は狭披針形、全縁。花は紫色から青紫色、10~30花が集まって総状花序につく。萼裂片は線形。豆果は偏平、1~3回らせん状に巻き、刺はなく、表面に網目状の脈があり、種子を数個入れる。地中海沿岸原産の帰化植物で、明治初年に牧草として輸入され、全国に野生化した。
No.1503 ミヤコグサ Lotus corniculatus subsp. japonicus
多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は無毛で、基部は地をはって、先端は斜めに立ち上がる。おもに5~6月に開花し、散形花序に1~3、多くは2花をつける。花は鮮黄色で、長さ約15mm。豆果は長さ2~3cmの線形で熟すと裂開して種子をはじき飛ばす。北海道、本州、四国、九州、琉球;朝鮮、中国、ヒマラヤに分布する。土堤や路傍、芝地などに生える。本種には萼が無毛のものと、長毛が散生するものがあり、後者はその点ではセイヨウミヤコグサと一致するが、葉面と茎が無毛で、花がほぼ2個ずつついている場合にはミヤコグサとされる。花後、花弁が紅色に変わるものはニシキミヤコグサ f. versicolor といい、稀に見られる。
No.1504 セイヨウミヤコグサ Lotus corniculatus subsp. corniculatus
ヨーロッパ原産の帰化植物で在来のミヤコグサの基本亜種にあたる(神奈川県植物誌調査会,2018)。市街地の路傍や空き地などで記録される。ミヤコグサとの違いは微妙であり、萼裂片は萼筒より短いか同長、3~8花がつき、茎と葉はふつう白軟毛があることなどで区別できる。
No.1505 コマツナギ Indigofera pseudotinctoria
落葉小低木(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎はふつう斜めに立ち長さ1m前後になる。葉は10枚前後の小葉からなる奇数羽状複葉で、小葉は長楕円形で長さ2cm前後、上下面とも丁字毛が生える。7~9月に開花し、花は紅紫色で葉腋から出る短い総状花序に密につく。虫が触れると雄ずい群と雌しべが竜骨弁からはね上がる。豆果は長さ3cmの円柱形で、熟すと裂開して種子をはじき飛ばす。本州、四国、九州;朝鮮、中国に分布する。土堤、林縁等に生える。花が白い個体をシロバナコマツナギ f. albiflora といい、稀に見られる。
No.1510 フジ Wisteria floribunda
別名ノダフジ(神奈川県植物誌調査会,2018)。落葉つる性木本。つるは左巻で樹木に巻きついて高く登り、若いときには有毛で後に無毛となる。小葉は楕円形で先が尖り、11~19枚。5月ごろ、本年枝の先に大型の総状花序を下向きにつけ、花序の長さは30cm程度だが、ときにはさらに長く伸びる。花は紫色で、長さ約2cm、クマバチがよく訪花する。豆果はやや偏平でビロード状に短毛を密生し長さ20cmに達し、熟すとはじけて2片に分かれ、直径約12mmの円盤状の種子をはじき飛ばす。種子は褐色で、表面に不規則な濃褐色の模様がある。本州、四国、九州に分布する。林縁や明るい林内に生える。
No.1510.1 シロバナフジ Wisteria floribunda f. alba
白色の花を咲かせるフジの園芸品種。
No.1512 ナツフジ Wisteria japonica
落葉つる性木本(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は左巻き(前から見て右から左へ巻きながら登る)で、全体の姿はフジに似るが、花序は細く長い。花は緑白色で夏に開花する。本州(東海地方以西)、四国、九州に分布する。丘陵地の林内~林縁に生える。東日本でも公園や寺社の近くで、移入された個体からの2次的な広がりが見られる事がある。
No.1520 ゲンゲ Astragalus sinicus
別名レンゲ(神奈川県植物誌調査会,2018)。越年草。茎の基部はやや地面をはって、多数分枝する。葉は10個前後の小葉をつける奇数羽状複葉で、小葉は楕円形。4~5月に開花し、葉腋から長い柄を立てて、その先に10個前後の花をやや散形につける。花は紅紫色で、長さ約12mm。竜骨弁が翼弁より大きく、その先は幅広い。豆果は無毛で2室に分かれ、黒く熟す。中国原産で、古い時代から水田に緑肥として栽培され、また野生化している。水田や川岸などの湿地に生える。花が白いものはシロバナゲンゲ f. leucanthus という。
No.1523 レブンソウ Oxytropis megalantha
多年草。草丈10~20cm。根茎は太くて木質、株を作って分枝し、全体に斜上する淡黄白色~白色の絹毛が密生する。葉は根元に集まり、長さ10~20cm、奇数羽状複葉で小葉は17~23個つける。小葉は狭長楕円形~狭卵形、長さ10~20mm、幅5~8mm。鋭頭で基部はくさび形、質はやや厚く、裏面には特に毛が密生する。托葉は長さ15~20mm。花期は6~7月。花は10~20cmの花茎を伸ばし、総状花序に5~15個、蝶形花をつける。花冠は紅紫色で長さ約2cm。萼は長さ約1.2cm、5裂し、裂片は狭卵形で鋭頭、長さ約3mm。北海道(礼文島)に分布し、日本固有種。海岸近くの礫地や草地に生える。
No.1526 ハリエンジュ Robinia pseudoacacia
別名ニセアカシア(神奈川県植物誌調査会,2018)。落葉高木。茎や葉は始め毛があるが、後にほぼ無毛。托葉は、若木や徒長枝では著しい刺となるが、花序のつくような枝では目立たない。5月に開花し、本年枝の葉腋から大型の総状花序を下垂する。花は白色、長さ約2cmで、よい香りがあり、ミツバチの蜜源としてよく利用される。豆果は長さ8cm前後で、やや曲がった広線形。北アメリカ原産の帰化植物で、1875年ごろ渡来した。砂防用、観賞用に多く植栽され、川岸、土堤、崩壊地などでしばしば野生状態で見られる。
No.1526.1 トゲナシハリエンジュ Robinia pseudoacacia f. inermis
刺がない個体をハリエンジュの変種(神奈川県植物誌調査会,2018)。稀に見られる。
No.1530 マルバヌスビトハギ Hylodesmum podocarpum subsp. podocarpum
多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は直立して、葉を疎らにつけ、3小葉で有毛、頂小葉は倒広卵形。9~10月に開花し、茎頂と上部の葉腋に総状の花序を出し、花は長さ3~5mmで淡紅色。節果は2個の小節果からなり、萼との間に短い柄がある。本州、四国、九州;中国~インドに分布する。林縁や土堤に生える。
No.1531 ヌスビトハギ Hylodesmum podocarpum subsp. oxyphyllum var. japonicum
多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。前種に似るが、茎はよく分枝し、葉は狭卵形で質がやや薄い。花は小型で、近似種と同様、虫が触れると雄ずい群と雌しべが竜骨弁からはじけ出す。陽当たりの悪い場所に生えた成長の悪い個体は、次種によく似た姿をすることがあり、はっきり区別できないこともある。北海道、本州、四国、九州、琉球;朝鮮、中国~東南アジアに分布する。林縁や草原に生える。花が白い個体をシロバナヌスビトハギ f. albiflorum といい、稀に見られる。
No.1532 ヤブハギ Hylodesmum podocarpum subsp. oxyphyllum var. mandshuricum
多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。葉形や花、節果は前種に似るが、茎は直立してあまり分枝せず、葉柄の長い数枚の葉が1ヶ所に集まってつく。葉は質が薄く、毛が少ない。北海道、本州、四国、九州;朝鮮、中国、ウスリーに分布する。丘陵地~山地の樹林内に生える。
No.1537 フジカンゾウ Hylodesmum oldhamii
多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は直立して高さ1mに達し、葉は5~7小葉からなり、小葉は長楕円形で先が尖る。8~9月に、茎頂と上部の葉腋に総状花序をつけ、淡紅色で長さ約1cmの花をつける。豆果は大型で萼との間に約1cmの柄があり、小節果は長さ12~16mmで、1~2個が連結してつく。本州、四国、九州;朝鮮、中国に分布する。丘陵地の樹林内に生える。
No.1539.a アレチヌスビトハギ Desmodium paniculatum
1年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は直立し高さ50~60cm。葉は3小葉からなり、小葉は狭卵形。9~10月に開花し、茎頂と上部の葉腋に総状花序をつけ、淡紅色で長さ6~9mmの花をつける。豆果は4~6の小節果からなり、一方から浅くくびれ、萼との間に柄はない。北アメリカ原産の帰化植物で、市街地の路傍や川原などに生える。
No.1543 ミヤギノハギ Lespedeza thunbergii subsp. thunbergii f. thunbergii
落葉低木(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎の先はしばしば垂れ下がる。小葉は長楕円形で先端は尖り、上面は幼時だけ軟毛があり、下面には圧毛がある。9~10月に開花し、花は葉腋から出る長い総状花序にややまばらにつく。萼裂片は先が尖り、最下の1個が特に長くて萼筒より長い。花はふつう紅紫色だが、白色の品種もよく栽培されている。豆果は長楕円形。北陸地方に自然分布するケハギ subsp. patens に近縁な栽培種であるが、ケハギの変異の中から選抜育成された品種であるという見解と、他種との雑種起源であろうという見解がある。神奈川県植物誌調査会(2018)は「どちらの見解をとった場合にもミヤギノハギ自体の学名は変わらない。ケハギの学名は変わってくるが、ここではその議論には深入りはしないでおく」としている。公園や庭によく栽培され、ときに逸出して土堤などに野生状態で見られる。
No.1544.1 ニシキハギ Lespedeza thunbergii subsp. thunbergii ‘Nipponica’
落葉低木(神奈川県植物誌調査会,2018)。葉の上面全体に宿存する微細な圧毛があることが特徴で、花は紅紫色。萼裂片は鋭頭で3脈が目立ち、萼筒より長い。前種と同様、萼はやや2形で、豆果は小型の萼の花から熟すと思われる。豆果は広楕円形。本州(中部以西)、四国、九州;朝鮮、中国東北部に自然分布するビッチュウヤマハギにもっとも近縁だが、栽培下にあるニシキハギがビッチュウヤマハギそのものなのか、何らかのその雑種起源かは判断できないとして、栽培種としての扱いにされている。公園や庭によく栽培され、ときに逸出して土堤や路傍に野生状態で見られる。白花品のシラハギ f. alba もよく栽培される。また紅紫色の花と白い花が混じって咲くものをソメワケハギ f. versicolor という。
No.1547 ヤマハギ Lespedeza bicolor
落葉小低木(神奈川県植物誌調査会,2018)。小葉は楕円形でやや円頭、花序の葉は小型になる傾向がある。成葉でもふつうは上面の中央部に疎らに毛が残り、下面には圧毛がある。花は紅紫色で、長さ10~13mm。萼は4裂し、上側の1歯は先端がわずかに切れ込む。萼裂片は萼筒より短く3脈があり、やや鋭頭。豆果はほぼ円形。北海道、本州、四国、九州;朝鮮、中国、ウスリーに分布する。日当たりのよい草原や林縁に生える。
No.1548 マルバハギ Lespedeza cyrtobotrya
落葉小低木(神奈川県植物誌調査会,2018)。葉はらせん状につき、小葉は楕円形~倒卵形で先端はやや凹み、上面は無毛で下面には圧毛が生える。8~10月に開花し、花は葉腋から出る短い総状花序につき、紅紫色で長さ10~13mm。萼は5裂し、萼裂片は先端が針状に尖り、萼筒より長い。豆果はやや円形。本州、四国、九州;朝鮮、中国に分布する。林縁やススキ草原などに生える。
No.1549 キハギ Lespedeza buergeri
落葉低木(神奈川県植物誌調査会,2018)。高さ2m程度。葉が2分の1の葉序につくことで、他のハギ類から容易に見分けられる。小葉は先端が尖り、上面は無毛で、下面には圧毛が生える。6~9月に開花し、花は淡黄色、翼弁は紫で旗弁に紫斑がある。萼は4裂し、萼裂片は鈍頭で、萼筒より短い。豆果は長楕円形。本州、四国、九州;朝鮮、中国に分布する。林縁や崖地などに生える。茎の毛が開出するものをタチゲキハギ f. angustifolia といいう。
No.1551 ネコハギ Lespedeza pilosa
匍匐性の多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。全体に開出した軟毛が多く、茎は長く地上をはって広がる。小葉は楕円形~円形。7~9月に開花し、葉腋から出る短い総状花序に白色の花を数個つけ、さらに茎の先端部の葉腋には短い柄の閉鎖花をつける。豆果は長さ3~4mmで有毛、おもに閉鎖花から熟す。本州、四国、九州;朝鮮、中国に分布する。土堤や芝地に生える。
No.1553 メドハギ Lespedeza cuneata var. cuneata
多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は直立して、高さ1mに達し、茎に沿って密に葉をつける。花は葉腋に集まってつくが、淡黄色の花弁のある花と、花弁のない閉鎖花がある。旗弁にはふつう紫斑があるが、まれに欠くものもある。豆果はおもに閉鎖花から熟し、その萼裂片は1脈で、先端は豆果より明らかに短い。豆果の表面はごく疎らに短毛が生える。北海道、本州、四国、九州、琉球;東アジアに分布する。川原や草原に生える。
No.1553.1 ハイメドハギ Lespedeza cuneata var. serpens
葉や花などはメドハギと同じだが、茎は基部から倒れて地面を被って広がる(神奈川県植物誌調査会,2018)。花は基本種よりも紫色の部分が多い傾向がある。茎の毛はメドハギと同様に伏すものと、開出するもの(ケハイメドハギ f. hirta)があり、後者の方が多い。海岸砂浜や海岸近くの芝地や草原に生える。
No.1554 ヤハズソウ Kummerowia striata
1年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。花は短い柄があって葉腋につき、紅紫色で長さ5mm。萼は長さ3~3.5mmで、豆果の半分以上をおおう。北海道、本州、四国、九州、琉球;朝鮮、中国に分布する。川原、芝地、路傍などの日当たりのよい草原に生える。
No.1559 スズメノエンドウ Vicia hirsuta
1年草または越年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。葉は12~18枚の小葉をもち、先端は分枝した巻きひげとなる。小葉は線状長楕円形、先端は鈍頭かやや凹む。花は白紫色、小型で、腋生の総状花序に3~7個つく。豆果は長楕円形、短毛がある。1~2個の種子を入れ、熟すと黒くなる。種子はやや偏平。本州、四国、九州、琉球;ユーラシアとアフリカ北部の温帯に分布する。農耕地周辺の路傍や土手に生える。
No.1560 カスマグサ Vicia tetrasperma
1年草または越年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。葉は8~12枚の小葉からなり小葉は長楕円形、先はやや尖る。スズメノエンドウに似ているが、花が淡紅紫色で数が1~2個と少ないこと、豆果が無毛であることから区別できる。豆果は楕円形、無毛、種子はほぼ球形。本州、四国、九州、琉球;ユーラシアの温帯に分布する。農耕地周辺の土手や路傍に生える。
No.1561 ヤハズエンドウ Vicia sativa subsp. nigra
別名カラスノエンドウ(神奈川県植物誌調査会,2018)。1年草または越年草。葉の先端は巻きひげとなり他物にからむ。小葉は8~16枚、狭倒卵形で長さ2~3cm、幅4~5mm、先端はやや凹む。托葉は深く切れ込み、下面には褐色の腺点がある。花は紫色、葉腋に1~2個つけ、花柄はごく短い。豆果は広線形、5~10個の種子を入れ黒く熟す。本州、四国、九州、琉球;ヨーロッパ、北部アジアに分布する。田畑の周辺の草原や土手、路傍などに生える。巻きひげをもたないものはツルナシヤハズエンドウ f. normalis 、白花品はシロバナヤハズエンドウ f. albiflora といい、ともに母種に混ざって稀に記録される。
No.1569.a ナヨクサフジ Vicia villosa subsp. varia
1年草または越年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。全体にまばらに毛がある。葉は10対ほどの小葉からなり、ほとんど無毛。花期は4月~7月。花は紫色、10~30花が総状花序となり、片側に偏ってつく。花柄は萼筒に対してT字形につき、萼筒の後ろ端は袋状に後ろにつき出す。豆果は扁平な楕円形。ヨーロッパ原産の帰化植物。日本には1940年代に帰化したものと思われ、その後、本州、四国、九州に帰化。市街地の路傍や空き地に生える。
No.1569.b ナヨクサフジモドキ Vicia villosa subsp. eriocarpa
ナヨクサフジに似るが豆果の表面に圧毛が密生する(神奈川県植物誌調査会,2018)。萼裂片は萼筒より短い。ヨーロッパの研究ではビロードクサフジ V. villosa の亜種として豆果が無毛のナヨクサフジ subsp. varia と豆果が有毛の subsp. eriocarpa をあげており、神奈川県植物誌調査会(2018)では豆果に圧毛が密生するものを日本新産帰化植物として上記の和名が新称されている。また、葉や茎の毛が少ない点も異なる。緑肥として移入されたものと思われ、前2亜種と混在して生育しているものとされている。
No.1571 ナンテンハギ Vicia unijuga
丈夫な根をもつ多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は直立する。葉は互生、短い葉柄がある。小葉は長楕円形から卵形で先は尖る。葉軸の先は痕跡的な突起がある。托葉は歯牙があるかまたは2裂。葉腋から出る総状花序に青紫色の花をつける。苞は披針形で長さ約1mm、開花前に脱落する。豆果は狭楕円形、無毛で柄がある。北海道、本州、四国、九州;東アジアに分布する。林縁や草原に生える。
No.1576 ソラマメ Vicia faba
一年草(塚本,1994)。莢が小さいときに蚕の形をしているので、また、春、蚕が繭を作る頃に実るので、蚕豆と書くといわれる。莢が空を向いてつくので空豆だともいわれている。草丈は1m内外になる。茎は直立し、断面は四角形で中空である。株元から多くの分枝を生ずる。春、葉腋に短い花柄をもった花を1~5個つける。花は白色か淡紫色で、旗弁にある黒色の斑紋が特徴である。莢は濃緑色で長さ5~10cmとなり、直立する。中にふつう2~4個の種子をつける。種子は扁平の腎臓形で、長さは10~28mmと、栽培品種により異なる。種皮は初め淡緑色で成熟・乾燥が進むと褐色となる。へそ部が大きく、未熟時には淡緑色で成熟すると黒くなる。中央アジア~地中海沿岸原産。種子を食用とする。新石器時代の後期に、農業に取り入れられたと考えられている。近東で栽培が始まり、その後ヨーロッパへ、アフリカ北部を通ってスペインへ、ナイル川に沿ってエチオピアへ、メソポタミアからインドへ、の4方向に広まった。鉄器時代までに、イギリスを含むヨーロッパでソラマメの栽培は確立したようである。紀元前18世紀のエジプトの遺跡からソラマメが発見されている。中国では、12世紀以降に栽培が始まった。日本では比較的新しい作物で、1630年の書物に名が出たのが初めてとされている。
No.1581 ジャコウエンドウ Lathyrus odoratus
別名スイートピー。つる性の一年草。4m近くにも伸びる。分岐する巻きひげを他のものに絡ませながら登る。茎には翼がある。葉は互生し、1対の小葉からなり、小葉は長さ6cmの卵形~卵状長楕円形。小葉の先に、葉の変化した巻きひげがある。葉腋に総状花序を出し、1~4個の花をつける。花は蝶形花で、芳香がある。野生種の花は旗弁が濃い赤紫色、翼弁が淡い青色時に紫色の脈が入る。果実は長さ5cmの扁平な豆果で毛がある。園芸品種では白、ピンク、紫、赤などの花色がある。シチリア島、イタリア南部、エーゲ海諸島原産。
No.1582 ハマエンドウ Lathyrus japonicus
多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎は砂上を長くはい、先端は斜めに立ち上がる。小葉は3~6対あって、巻ひげは分枝する。托葉は大型で小葉と同大。4~5月に開花し、紫色の花を葉腋から出る総状花序に数個つける。北海道、本州、四国、九州、琉球;北半球の温帯から亜寒帯に広く分布する。海岸の砂浜に生える。
No.1584 シロエンドウ Pisum sativum var. macrocarpon
つる性一・ニ年草。高さ1m前後になる。全草無毛で、茎葉ともろう質に覆われるため、白っぽく見える。茎は中空。葉は互生し、羽状複葉で先端の小葉が巻きひげに変化している。葉の基部には発達した托葉が2個ある。上部の葉腋に、長さ2~5cmの2又にわかれる花茎を出し、2個花がつくことが多い。花は蝶形で白色。果実は扁平な豆果で白色。野生種では種子を莢からはじけさせ地面に放ち散布する(Diamond, 1997)。多数の果実や種子の食用品種があり、畑で栽培される。諸説あるが紀元前8000年前に肥沃三日月地帯で、炭水化物源としてのエンマーコムギ Triticum dicoccon 、ヒトツブコムギ Triticum monococcum、オオムギに対して、ヒヨコマメ、ヒラマメと共にタンパク質源として栽培された(Diamond, 1997)。西ユーラシアの人々は、肥沃三日月地帯から本種が作物として伝わると、栽培技術の伝播によってそれまでおこなっていた野生近縁種の採集をすぐにやめてしまった。一つの劣性遺伝子を共有しており、この遺伝子のおかげで、野生種のようにサヤが自動的にはじけて豆がこぼれたりしないようになっている。また種皮が薄くて滑らかに、種子は野生種の10倍もの重さに人為選択されている。シロエンドウ(サヤエンドウ、軟莢種) var. macrocarpon は花は白色で(この点諸説あり)、莢が柔らかく、未熟な莢をさやえんどう、成長を終えて乾燥前の生の豆をグリーンピースとして利用する。日本では煎り豆、煮豆、鶯餡などに加工される。豆苗はエンドウの若菜のことで中国で食されたが日本で水耕栽培が開発され生産量が増え、食感が良く炒め物などに利用される。
No.1585 アカエンドウ Pisum sativum var. arvense
赤い花を咲かせるエンドウマメの変種。莢は硬く、豆果は褐色。硬莢種で莢が固く、主として完熟して乾燥した豆を収穫して利用する。ヨーロッパでは煮込んでピースープ、日本ではみつまめやゆで豆にして食べる。
No.1585.a ヒラマメ Lens culinaris
別名レンズマメ。一年草。草丈15~75cm。草型などは品種によってさまざま。葉は互生する羽状複葉。小葉は4~7対あり、長さ1cmほどの細長い楕円形で、全縁。葉には巻きひげと托葉がある。葉腋に総状花序を出し、白、ピンクまたは赤紫色の蝶形花を1~4個つける。果実は長さ1~2cmの豆果で、ふつう種子が2個含まれる。種子は扁平で丸く、径4~9mm。紀元前7000年ごろに肥沃な三日月地帯でエンマーコムギ、ヒトツブコムギ、オオムギに対して、蛋白質源としてヒヨコマメ、エンドウと共に栽培化されたと考えられ(Diamond, 1997)、その後ヨーロッパや南アジアへ伝播した。インドでは紀元前2,000~1,500年頃から栽培されている。人為選択によって莢や果皮のはじけない突然変異が固定されている。種子がカレーやスープ、煮込み料理などに利用され、インド亜大陸、フィジー、モーリシャス、シンガポール、カリブ海ではレンズ豆カレー、ダルパラタ、プリ(揚げパン)、パーパド(パパダン、極薄のクラッカーの様な食品)、印パではキチュリー(Khichri:米、ヒラマメ、香辛料を用いたお粥)、中東ではムジャッダラ(脱穀した穀物、一般的には米を炊き込みタマネギのソテーを加えて作られる料理)、イランではadas polo(米とレンズ豆に揚げたレーズンを添えた料理)、エジプトではコシャリ(Koshary:米、マカロニやスパゲッティなどのパスタ、ヒヨコ豆、ヒラマメをミックスし、揚げた玉ねぎとトマトソースをかけた料理)として消費される。カメラなどのレンズの語源は、作成された当初の凸レンズの形がレンズマメの種子に似ていたことによる。
No.1586 ツルマメ Glycine max subsp. soja
つる性の1年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。小葉は3個で狭卵形~線形、形の変化が大きい。茎には褐色の逆毛が生えるが、その量には変化が大きい。8~9月に葉腋の短い花序に淡紫色の数花をつける。豆果は長さ2~2.5cmで褐色毛を密生する。北海道、本州、四国、九州;朝鮮、中国;シベリア東部に分布する。草原、土堤、林縁などに生える。ダイズの原種といわれる。花が白色のものをシロバナツルマメ f. albiflora といい稀に見られる。
No.1587 ダイズ(エダマメ) Glycine max subsp. max
一年草(塚本,1994)。茎は直立し、草丈は30~90cmがふつうであるが、蔓性のものもある。葉腋より分枝を生じる。茎、葉、莢は有毛である。花序のつき方、茎の伸び方には、栽培品種により違いがある。花は白、紫、淡紅色で長さ約5mmと小さい。豆果は長さ5cm前後のものが多く、ふつう2~3個の種子をつける。成熟した莢の色は淡黄、褐、黒色などがある。種子は球形、楕円形が多く、扁平なものもある。大きさは5~10mmで栽培品種により大きな違いがある。種子の色は黄、濃淡の緑、褐、赤褐、黒色があり、まだらや種々の模様のあるものもある。黄緑色の黄粉用、みそ、豆腐用の丸大豆、黒豆、煮豆用、浸し豆用など、用途に合った色、形の品種が分化している。加工原料には黄色のものが用いられる。豆果を食用とする。東アジアに分布する。ダイズはおそらく東アジアに広く自生するツルマメの栽培化によって起源された。このツルマメは古代から食料とされていた。これが栽培化され、栽培型のダイズが成立した起源地は中国東北部、シベリア、アムール川流域と推定されている。この栽培型が中国北部の東方地域から中国南部、朝鮮半島、日本および東南アジアの諸地域へ伝播したのは紀元前3世紀から紀元後7世紀である。また、一説にはツルマメと中国南部に自生する G. tomentosa との雑種から現在の栽培型のダイズが成立したともいわれている。
No.1594 インゲンマメ Phaseolus vulgaris var. vulgaris
一年草(塚本,1994)。草状はつる性と矮性およびその中間がある。つる性は草丈2~3mに伸長し、節間が長く、左巻きに支柱に巻きつく。矮性は草丈50cm内外で節間は短く、支柱を要しない。葉は互生する3出複葉で、全縁。インゲンの花序は、葉柄より短く、先端に白~黄白色または淡紫色の花を2~3個ずつつける。莢は幅が狭く、扁平または円筒状、長さ10~25cmになる。メキシコ南部、中央アメリカ原産。中米では炭水化物源のトウモロコシと共に蛋白質源として栽培され、アステカ帝国では税の物納品⽬として徴収していた。北アメリカ南西部にも伝わっているがアメリカ大陸が気候的な障壁に起因し、わずか約200kmの距離を数千年の歳月をかけて北上している(Diamond, 1997)。900年頃に北アメリカ東部の先住民にトウモロコシ、カボチャと共に伝わると集約的農業が実践されるようになった。南米ではアンデス⼭脈東部⼀帯に産する⼤粒の野⽣種 Phaseolus vulgaris var. aborigineus が⼤粒の栽培品種としてアンデス文明で栽培されたがテンジクネズミなど動物性の⾷品も多かったため中央アメリカほど栽培されなかったとも考えられている(吉田・辻,2019)。コロンブス交換によってヨーロッパに伝わるとソラマメ中毒を起こすソラマメに代わって急速に普及した。アジアへの伝播は不明な部分が多いが、スペインが植民地にしたフィリピン経由またはポルトガルが居留権を得たマカオ経由で明に伝わった。日本にインゲンが渡来したのは、1654年に隠元禅師が明から来日した際に伝えたといわれているが、隠元禅師がもたらしたのはフジマメ Lablab purpureus であるという説が濃厚で、同時期明に伝えられ混乱が生じたものとされる。莢を⾷べるための品種が紹介されたのは江⼾時代末期になってからで現代では「さやいんげん」としての消費が大部分を占める。西洋ではカスレ、チリコンカーン、ミネストローネ、ベイクドビーンズ、日本ではおひたし、和え物、白餡、金時豆として食べられる。
No.1596.a ヒスイカズラ Strongylodon macrobotrys
蔓性木。茎は丈夫で捻じれ、長さ9~15(~18)m、直径2.5cm以下になる。葉は互生し、短柄があり、3小葉、長さ25cm以下、初めピンクブロンズ色、淡緑色になり、やがて成熟すると濃緑色になる。小葉は全縁、頂小葉は楕円形~卵状楕円形、長さ12~15.5cm×幅5.5~7.3cm、全縁。側小葉は卵形、長さ9~15cm×幅3.5~8cm。花期は春~初夏。花序は頂生または腋生、長さ0.5~1.5(~3)m、花序軸は長さ50cm以上、垂れ下がったブドウの房状の総状花序、5~8個の花が束生して、多段に多数(75個またはそれ以上)の花をつける。短枝はいぼ状。花柄は長さ1.8~4cm。萼は鐘形、帯紫色(灰色)。花は爪形、羽根を閉じた蝶に似た蝶形花、輝く青緑色(翡翠色)、長さ7.5cm以下、幅6cm以下。旗弁は卵形、反曲し、長さ3.7~4.8cm×幅1.7~2.5cm。翼弁は長楕円状楕円形、長さ20~24mm×幅8~10mm。竜骨弁は長さ45~48mm×幅11~13mm。果実の莢は長さ8.5~13cm×幅約6cm、楕円形、膨れ、しわがある。フィリピンのルソン島、ミンドロ島、カタンドゥアネス島に分布する。花が青緑色で目立つため観賞用に栽培される。受粉はオオコウモリにより行われる。花の蜜を飲むために花序に逆さまにぶら下がっているコウモリの種によって受粉できるように適応している。花弁は翡翠色であるが、これはコピグメント効果によるもので、色素としてマルビン・サポナリンが1:9の割合で含まれていること、表皮細胞のpHが7.9とアルカリ性に傾いていることによる(Takeda et al., 2010)。
No.1596.b ヒトツバマメ Hardenbergia violacea
つる性多年草(Jeanes, 1996)。よじ登りまたは平伏、無毛、亜低木。茎はしばしば、2mに伸びる。葉は単葉、葉身は卵形~狭披針形、長さ3~10cm×幅1~5cm、±革質、葉脈は明瞭な網状脈、無毛。葉柄は長さ約10mm、葉身から1mmに関節がある。托葉は糸状。花序は総状花序、総状花序の上側のはしばしば頂部に円錐花序を作り、花が20~30個つく萼は長さ3~4mm。花冠は長さ約8mm、ほぼ紫色。旗弁は黄色の斑点がある。翼弁は長い黄色の爪部がある。莢は長円形、長さ20~45mm。種子は6~8個、長さ4~5mm。オーストラリア原産。観賞用の園芸品種。
No.1606 トキリマメ Rhynchosia acuminatifolia
別名オオバタンキリマメ(神奈川県植物誌調査会,2018)。つる性の多年草。葉は3小葉からなり、毛は少なく、下面には萼と豆果の表面とともに腺点がある。6~9月に、葉腋から出る葉より短い総状花序に、黄色い花をつける。豆果は熟すと赤くなり、果皮には微毛が多少残る程度で、裂開しても黒く光沢のある種子はさやから離れない。本州、九州;朝鮮に分布する。林縁や土堤に生える。
No.1609 ノササゲ Dumasia truncata
繊細なつる性の多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。小葉は薄く、上面は無毛、下面は白色を帯び少し圧毛がある。8~9月に葉腋から出る総状花序に、黄色い花を数個~10数個つける。豆果は熟すと淡紫色になり、白い粉をかぶった黒紫色の種子は豆果が裂開しても縁についている。本州、四国、九州に分布する。明るい樹林内や林縁に生える。
No.1610 ヤブマメ Amphicarpaea edgeworthii var. japonica
つる性の1年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。茎や葉柄には逆向きにやや斜めに開出する毛が多く、小葉も両面に毛がある。9~10月、淡紫色の花を葉腋から出る短い総状花序につけ、別に短い柄の閉鎖花を葉腋に1~2個つける。有弁花の萼は閉鎖花のものより大きい。豆果はほとんど閉鎖花から熟し、長さ約3cm、無毛で縁にだけ伏毛がある。種子には大理石模様があり、はじけて地面に落ちたときに、鳥の目を逃れる迷彩の役目をもっているといわれる。地下の細いつるの先に閉鎖花をつけ、やや大型の1種子を入れる豆果となる。本州(関東地方以西)、四国、九州;朝鮮、中国に分布する。土堤、草原、林縁などに生える。
No.1610.1 ウスバヤブマメ Ampnicarpaea edgeworthii var. trisperma
葉がやや小型で質が薄く、頂小葉が楕円形のヤブマメの変種(神奈川県植物誌調査会,2018)。神奈川県植物誌調査会(2018)では「県内では山地の高所に分布するものの多くはこの型にあたるが、丘陵地にも見られ、中間的なものも多い。最近の図鑑ではヤブマメと区別できないとしている」と記されている。ここでは参考のため該当すると思われる個体を掲載しておく。
No.1611 クズ Pueraria lobata subsp. lobata
つる性の多年草(神奈川県植物誌調査会,2018)。つるは著しく長く伸びて、地面や他の植物を広くおおい、地上をはう基部は木質化し径5~6cmにもなる。大きな塊根に多量の澱粉を貯蔵しており、くず粉として利用された。茎には褐色の開出毛が密生する。葉は大型で小葉の長さ15cmに達し、しばしば2~3の切れ込みをもつ。托葉は長さ2cmに達する大型の狭卵形で、中央部で茎につく。8~9月に葉腋から総状花序を出す。豆果は偏平で褐色の剛毛が密生し、熟すと裂開して2片に分かれるが、種子をはじき飛ばすことはなく、さやごと風に運ばれることが多いと思われる。北海道、本州、四国、九州;朝鮮、中国、東南アジアに分布する。林縁、土堤、草原などに生える。白花品はシロバナクズ f. leucostachya と呼ばれる。繁殖は基本的に栄養繁殖で、種子繁殖力は低い(伊藤,2010)。花のうち鞘になる率は低く、また種子は形成しても粃(しいな)が多い。種子は硬実で種皮に水や空気の透過性がないので、種皮が傷つかないと発芽できない。水流によって運ばれる可能性はあり、谷間のせせらぎを通って、下流の河川敷にたどり着くということがありうる。日本では万葉集の中にも現れ、7~8世紀にはかなり拡がっていたと思われる。古来から塊根から採る葛粉は貯蔵食として、クズ餅やクズそうめん、クズ切りなどの材料として使われてきた。葛粉をとるのは大変手間のかかる作業現在でもデンプンとしては最高級品で、現在はごく限られた地域で行われているに過ぎない。市販の葛粉にはサツマイモ、ジャガイモ、トウモロコシなどのデンプンが混ざっている場合が多いとされる。薬用としては現在も葛根湯の材料となっている。茎葉は家畜の飼料、肥料になり、つるの繊維から織る葛布は衣類にもなる。しかし、茎葉や塊根の利用のために適度に採集されていたものが放任後、その旺盛なシュート伸長力(栄養生長)によって近隣の開放地に侵入し定着することがあるため、大きな葉をもつシュートによる遮光、つるによる枝や幹の締め付けにより樹木に被害もある。アメリカでは観賞用植物で紹介され、フェンス、ポーチのつる植物、家畜の飼料用、土面保護用、土壌改良用として認知された後、野生化。強害草。世界の侵略的外来種ワースト100。
No.1612 トビカズラ Mucuna sempervirens
別名ムクナ(塚本,1994)。蔓性常緑木本。小葉は卵形で短い葉柄をもち先端はとがり、基部は円形で全縁で無毛で葉脈がやや明らかである。花は多数総状について下垂する。花色は橙赤、赤、緋などで緋色のものがおもに栽培されている。竜骨弁は湾曲して先は上向きにとがっている。果実は長さ50cm以上になる大型の莢果で、種子の入っていないところは括れて細くなる。種子は直径2~3cmの褐色楕円形。ブータン、北東インド(西ベンガル、マニプール、シッキム)、ミャンマー、中国、日本に分布(Flora of China)。日本にも広く分布していたとされるが、現在は熊本県と長崎県佐世保市沖の無人島、天草上島の3ヵ所のみに局所的に分布する(井手ら,2012)。森、茂み、川辺に生える。中国の研究では7種の哺乳類と鳥類が花に訪れ、リス不在の場所ではエドワーズコミミネズミ Leopoldamys edwardsi とハクビシン Paguma larvata が、リスが存在する場所ではクリハラリス Callosciurus erythraeus とオーストンカオナガリス Dremomys pernyi に送粉されるだけでなく、種子散布もリス類の分散貯蔵行動に頼っている、二重相利共生を行っている特異な繁殖生態を持つ(小林,2020;Xiao, 2022)。日本での分布もこのような生態との関連の考察が期待される。
No.1615 デイゴ Erythrina variegata
落葉高木(Flora of China)。高さは20mまでで、幹や枝には太く鋭い棘が生えている。葉は3出複葉で、花の最盛期後に展開する。小葉は広卵形または菱形卵形。花期は日本では3~5月。枝先に長い総状花序をだし、真っ赤な花を咲かせる。黄色い斑入りの品種もある。奄美大島~沖縄;インド、スリランカ、東南アジア(バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム)、オーストラリア、太平洋諸島に広く分布し、アフリカと中南米に導入された。本来はインドからマレーシアにかけてが原産地ともされるが熱帯地方で非常に長い間栽培されてきたため、元の分布を定義することは困難(Duenas-Lopez, 2022)。日本の分布についても少なくとも明治以前に遡る帰化植物ともされる(中本・伊澤,2013)。沖縄県の県花で、デイゴが見事に咲くと、その年は台風の当たり年で、天災(干魃)に見舞われるとされ、街路樹や公園樹として植栽されている。基本的に昼行性の鳥類によって花粉媒介される鳥媒花で、原産地のインドの研究では9種の鳥類が吸蜜を行っていた(中本・伊澤,2013)。しかし沖縄県での研究では朝に開花し、日中にのみ花蜜を分泌し、開花した花の約60%はメジロ Zosterops japonicas に代表される日中の訪花者によって蜜が枯渇させられた一方、残りの40%のうち、30%の花でクビワオオコウモリ Pteropus dasymallus の夜間の訪花によって枯渇させられた。またセイヨウミツバチやシロガシラも花に訪れることが確認されている。デイゴが植栽であるならば新たな送粉関係を構築していると言える。
No.1616 カイコウズ Erythrina crista-galli
別名アメリカデイコ(塚本,1994)。落葉高木である。高さ6m前後になり、枝には鋭い刺が有る。頂小葉は披針形~広披針形であるが、個体変異がかなり著しい。長さ50~70cmの総状花序を頂生し、黄色を帯びた赤色の美しい花をつける。花弁は旗弁と舟弁があり、旗弁は卵型で長さ5cm、舟弁に対し直角に反転する。豆果は長さ10~20cmでくびれがある。種子はアズキ形で茶褐色に黒色の斑点がある。ブラジル南東部~アルゼンチン北部原産。花にはクマバチとミツバチ、4種のハチドリが訪れて受粉する(Galetto et al., 2000)。
No.1616.a サンゴシトウ Erythrina x bidwillii
イギリス人植物学者のビドウィル氏がオーストラリアで、ヘルバケア E. herbacea とカイコウズ E. crista-galli を交配して作り出したものである(塚本,1994)。高さ4m前後になり幹は滑らかで刺がない。花は頂生の総状花序につく。花序軸は暗赤紫色で長さ50~100cmである。花はペンシル形で鮮濃赤色をして美しく、旗弁は5cmで長楕円形でわずかに開出する。結実はまれであるが、莢や種子はアメリカデイコに似ている。
No.1616.b ハナモツヤクノキ Butea monosperma
落葉高木。樹高は10~15m程度に。葉は3出複葉で、小葉は厚味があり、しなやかで、幅10~20cm程度の菱形状卵形で、全縁、鋭頭となる。葉の表面には光沢がある。葉裏は葉灰白色となる。葉には繊細な毛細が密生する。開花期は2~3月頃。花は枝先の葉腋から出た短い総状花序につく。花は径3~5cm程度でマメ科特有の蝶形花であり、花弁の中でも最下竜骨弁が反り返り、ちょうどオウムの嘴のようになる。花色はオレンジ色~赤色で、葉の展開前に一斉に開花する。花後には長さ12~20cm程度の莢果をつけ、中に1個の種子を持つ。南アジア(パキスタン、インド、バングラデシュ、ネパール、スリランカ)、東南アジア(ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナム、マレーシアに分布し、森林、湿った場所、道路の近くも栽培される(Flora of China)。花には大量の蜜があり、日中の開花を示し、6科に属する7種もの鳥が頻繁に訪れるが、ムラサキタイヨウチョウ Nectarinia asiatica だけが効果的な花粉媒介者となっており、哺乳類のヤブシマヤシリス Funambulus tristiatus によっても受粉されるというマメ科では特異的な送粉システムを持っている(Tandon et al., 2003)。樹液を皮革製造に、花をお茶や染料に、葉を皿に利用するほか、ヒンドゥー教の聖木とされ、神への捧げ物、宗教的な儀式に使われている。ラックカイガラムシ Kerria lacca (Laccifer lacca はシノニム)は400以上の宿主が知られるが、商業的にはこの植物とセイロンオーク Schleichera oleosa、インドナツメ Ziziphus mauritiana の3種を利用し、花没薬(はなもつやく)という生薬の原料となる(渡辺,2003;岳川,2010)。花没薬は紅色色素を含み臙脂絵の具の一種として利用される。ラック染料にもなり布を紫鉱染め(ラック染め)する。食品にも添加され現代の日本では菓子、餡、ベーコン、ソーセージ、麺、水産加工品、ジャムに色をつける。また虫体被覆物を精製して得られる紫膠(シェラック)は塗料、接着剤、電気絶縁材、弦楽器や木製家具に塗るニス、粒状のチョコレートやガム、錠剤の医薬品、天津甘栗のコーティング・光沢剤、SP盤のレコードなどに用いられ、多用途で日本でも極めて重要。
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