ショウブ科 Acoraceae は根茎のある多年草。葉は根茎から袴状に出て2縦列し、線形、剣状。根生する花茎は直立し、1枚の葉状の苞をつけた肉穂花序を1個つけます。花序は多数の花をつけ、花は両性、3数性、6枚の花被片を2輪につけ、6個の雄しべと1個の雌しべがあります。果実は液果。北半球の亜熱帯~亜寒帯の乾燥地を除いた地域に広く分布し、1属2種から構成されます。日本にもショウブ属の2種があります。
本記事ではショウブ科の植物を図鑑風に一挙紹介します。
基本情報は神奈川県植物誌調査会(2018)に基づいています。写真は良いものが撮れ次第入れ替えています。また、同定は筆者が行ったものですが、誤同定があった場合予告なく変更しておりますのでご了承下さい。
No.0167 セキショウ Acorus gramineus
多年草。根茎は径5~8mm。葉はやや斜上し、長さ20~50cm。幅は6mm以下。花は5~6月。花茎は高さ約10cm。仏焔苞は葉状で長さ3~15cm。肉穂花序は長さ5~10cm。幅3~5mm。シイ・カシ帯の日陰の湧水地、流水縁に生えます。本州、四国、九州;中国、インドに分布。セキショウ群集の標微種。葉が細くて短く、花序も小さいものをアリスガワゼキショウ f. pusillus といい庭に植えられ、ときに逸出します。
No.0167.1 フイリセキショウ Acorus gramineus var. decoratus
セキショウの葉に斑が入っている変種。
引用文献
神奈川県植物誌調査会. 2018. 神奈川県植物誌2018 電子版. 神奈川県植物誌調査会, 小田原. 1803pp. ISBN: 9784991053726