【種子植物図鑑 #051】ヒルムシロ科の種類は?写真一覧

種子植物図鑑
Potamogeton berchtoldii

ヒルムシロ科 Potamogetonaceae はヒルムシロ属とGroenlandia属の2属からなっていましたが、ヒルムシロ属からリュウノヒゲモ属が分けられました。また、イトクズモ科 Zanichelliaceae がヒルムシロ科に含められました。このため、ヒルムシロ科の形態的特徴はきわめて多様なものになっています。多年生(稀に1年生)の浮葉または沈水生植物で、淡水または汽水に生育します。茎は細長く、しばしば下部は根茎状になります。塊茎や殖芽を形成することがあります。沈水葉は線形~円形。浮葉は披針形~楕円形または卵形。7属約100種が世界に広く分布します。日本には3属約20種が分布します。

本記事ではヒルムシロ科の植物を図鑑風に一挙紹介します。

基本情報は神奈川県植物誌調査会(2018)に基づいています。写真は良いものが撮れ次第入れ替えています。また、同定は筆者が行ったものですが、誤同定があった場合予告なく変更しておりますのでご了承下さい。

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No.0261 ササバモ Potamogeton wrightii

沈水植物ですがときに上部の葉が浮葉化することがあります。葉は長さ2~15cmの葉柄があり、葉身は長楕円状線形~狭披針形で長さ5~30cm、幅1~2.5cm。葉の先端は鋭頭で通常芒状に突出します。花は4心皮。地下茎の先端に殖芽を形成します。北海道、本州、四国、九州、琉球;アジア東部、インド、ニューギニアに分布します。

ササバモ
ササバモ

No.0265 イトモ Potamogeton berchtoldii

沈水植物。葉は線形で鋭頭、幅0.8~1.2mm、1~3脈。花穂は長さ3~5mm、花は4心皮。夏から秋にかけてよく開花し、よく結実することが類似種との区別点です。果実は長さ2~2.5mm、幅約1.5mm。枝の先端や葉腋に長さ2~3cmで中央がやや膨らんだ殖芽を形成します。北海道、本州、四国、九州、琉球;世界各地に分布します。『国RDB15』では準絶滅危惧。

イトモの葉
イトモの葉
イトモの果実
イトモの果実

引用文献

神奈川県植物誌調査会. 2018. 神奈川県植物誌2018 電子版. 神奈川県植物誌調査会, 小田原. 1803pp. ISBN: 9784991053726

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