【種子植物図鑑 #099】カンナ科にはどんな種類がいる?写真一覧

種子植物図鑑
Canna indica

カンナ科 Cannaceae はカンナ属1属からなる単型科で、ショウガ科に類縁が深いですが、ショウガ科にある葉舌が見られません。多年草。根茎は多肉で塊状となり、分枝します。茎は太く長い。葉は大型で長楕円形または披針形、羽状脈をもちます。花は両性花で茎の頂に総状花序につきます。萼3、花弁3が基部で合着します。6個の雄しべのうち5個は不稔の仮雄しべで、花弁状に大きく発達します。稔性雄しべは狭長の花弁状で、葯を着生します。花柱は、へら形、子房下位。蒴果は3室よりなり、多数の黒色球形の種子を生じます。野生種は熱帯地方に50種以上あり、多数の園芸品種があります。

本記事ではカンナ科の植物を図鑑風に一挙紹介します。

基本情報は神奈川県植物誌調査会(2018)に基づいています。写真は良いものが撮れ次第入れ替えています。また、同定は筆者が行ったものですが、誤同定があった場合予告なく変更しておりますのでご了承下さい。

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No.0643 ダンドク Canna indica

多年草。高さ1~1.5m、根茎は多肉質。茎は円柱状で直立し、長さ30~40cmの葉を互生します。葉は卵状長楕円形で、基部は葉鞘となって茎を包みます。頂生の総状花序に長さ5cmの花をつけます。花色は赤または黄色です。南アメリカ原産で、江戸時代に日本へ渡来しました。薩南諸島、琉球に帰化しています。

ダンドクの葉上面
ダンドクの葉上面
ダンドクの葉下面
ダンドクの葉下面
ダンドクの花
ダンドクの花

No.0644 ハナカンナ Canna x generalis

多年草。ダンドクと Canna glauca または Canna iridiflora の雑種(Prince, 2010)。本来は宿根草ですが、大きな根茎を分けつして増やせるため、春植え球根として扱われています。楕円形の葉は非常に大きい。夏~秋にかけて開花し、赤・黄色・ピンク・白、黄色に赤の絞りや赤の水玉模様のある花を開きます。花びらのように見える部分は、6本ある雄しべのうちの5本で、残りの1本だけが雄しべとして機能します。草丈が2m近い高性種と、1mくらいの矮性種があり、どちらも花壇の背景などに使われています。

ハナカンナ黄色花型の葉
ハナカンナ黄色花型の葉
ハナカンナ黄色花型の花
ハナカンナ黄色花型の花
ハナカンナ赤色花型の葉
ハナカンナ赤色花型の葉
ハナカンナ赤色花型の花(損壊が激しい)
ハナカンナ赤色花型の花(損壊が激しい)
ハナカンナ赤色花型の果実
ハナカンナ赤色花型の果実

引用文献

神奈川県植物誌調査会. 2018. 神奈川県植物誌2018 電子版. 神奈川県植物誌調査会, 小田原. 1803pp. ISBN: 9784991053726

Prince, L. M. 2010. Phylogenetic relationships and species delimitation in. Canna (Cannaceae). pp.307-331. In: Diversity, Phylogeny, and Evolution in the Monocotyledons. Aarhus University Press, Denmark. ISBN: 9788779343986

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