オオウロコチャタテの日本国内記録と大阪府の初記録を報告!(『Ecological Notes』掲載論文)

動物
Stimulopalpus japonicus

本記事では以下雑誌にて公開した「大阪府におけるオオウロコチャタテの記録と国内分布文献記録」の本文を掲載します。冊子版およびpdf版をお求めの方は以下のリンクよりご購入下さい。同定・情報の間違いなどは次号以降で修正しますのでご報告下さい。

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オオウロコチャタテとは?国内分布記録は?

オオウロコチャタテ Stimulopalpus japonicus Enderlein, 1907 は人家の周りにも普通に見られ、岩の表面や人家のブロック塀に生息するウロコチャタテ科の一種である(吉澤,1999)。国内ではJohnson et al.(2020)及び筆者が確認する限り、東京都(伊藤,1977;吉澤,2000) 、愛知県(間野,2018)、奈良県(奈良県レッドデータブック改訂委員会,2017)、岡山県(Enderlein, 1907:この記録は岡山県野生動植物調査検討会(2020)の分布記録整理に含まれていない)、四国県不明(富田・芳賀,1992)、福岡県(吉澤,2016)で記録があり、筆者は兵庫県でも記録しているが(池田,投稿中)、大阪府では大阪府(2000)にも記述はなく、記録がないと思われる。

図 7 大阪府のオオウロコチャタテ

筆者のオオウロコチャタテの記録

筆者は2016年8月26日13時頃、大阪府河内長野市滝畑天神社(大梵天王社)で、本種を撮影しているのでここに報告する(図 7)。

1ex., 大阪府河内長野市滝畑天神社, 26. VIII. 2016, 筆者撮影.

同科には2種いるが(日本昆虫目録編集委員会,2016)、オオウロコチャタテにみられる頭部に1対の淡黄褐色の円斑があり(伊藤,1977;吉澤,2000)、伊藤(1977)の標本と暗褐色の地に灰白色の斑紋が類似していることから、本種とした。神社の階段で徘徊する様子が確認できた。

引用文献

Enderlein, 1907. The scaly winged Copeognatha (Monograph of the Amphientomidae, Lepidopsocidae, and Lepidillidae in relation to their morphology and taxonomy). Spolia Zeylanica, 4: 39-122. ISSN: 0081-3745

池田健一,投稿中.井吹台谷口公園の昆虫類と虫こぶ(付録:神戸市の虫こぶの文献記録).きべりはむしISSN: 1884-9377

伊藤修四郎,1977.チャタテムシ目.pp.88-92. 伊藤修四郎・奥谷禎一・日浦勇(編)原色日本昆虫図鑑 下 全改訂新版.保育社.大阪.ISBN: 9784586300037

Johnson, K. P., Smith, V. S. & Hopkins, H. H., Last updated 2020. Psocodea Species File Online. Version 5.0/5.0. [retrieval date]. http://Psocodea.SpeciesFile.org

間野隆裕,2018.グリーンデータブックあいち 2018 昆虫編.D-1-151. 愛知県の生物多様性 グリーンデータブックあいち 2018.哺乳類・鳥類・爬虫類編,両生類編,汽水・淡水魚類編,昆虫編,クモ編,苔類・ツノゴケ類編,愛知県環境部自然環境課.名古屋.https://www.pref.aichi.jp/soshiki/shizen/greendatabook.html

奈良県レッドデータブック改訂委員会,2017.奈良県野生生物目録,422pp. くらし創造部景観・環境局景観・自然環境課.奈良.

日本昆虫目録編集委員会,2016.日本昆虫目録 第4巻 準新翅類,xxxiii, 629pp. 櫂歌書房,福岡.ISBN: 9784434218224

岡山県野生動植物調査検討会,2020.岡山県野生生物目録2019,516pp. 岡山県環境文化部自然環境課.岡山.

大阪府,2000.大阪府野生生物目録,351pp. 環境農林水産部緑の環境整備室.大阪.

富田康弘・芳賀和夫,1992.日本産チャタテムシ目の目録と検索表.菅平高原実験センター研究報告,12: 35-54. ISSN: 0913-6800

吉澤和徳,1999.チャタテムシの生物学 (1).インセクタリゥム,36(6): 156-161. ISSN: 0910-5204

吉澤和徳,2000.皇居の動物相調査で得られたチャタテムシ目昆虫.国立科学博物館専報,36: 29-34. ISSN: 0082-4755

吉澤和徳,2016.昆虫学概論・各目解説 (1) 咀顎目 (カジリムシ目) の系統的位置と高次体系.昆蟲 ニューシリーズ,19(3): 112-120. ISSN: 1343-8794, https://doi.org/10.20848/kontyu.19.3_112

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