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クコ(枸杞)とグミ(茱萸)の違いは?生食できる?食べ方は?花にはどんな昆虫が訪れる?

Lycium chinense 植物
Lycium chinense

クコ(枸杞)とグミ(茱萸)は夏にできる美味しく赤い液果という点で共通しています。しかし、この植物学的特徴は全く異なっています。クコとグミと葉と花で見分けるのが確実ですが、果実にも一応果柄に違いあります。クコの実は生食は可能ですが、「生臭くとても薄味で、やや苦味がある」と評され、加工しなければあまり美味しくはないかもしれません(ただし園芸品種は生食でも美味しいとされます)。一方、グミはダイオウグミに関しては美味しく食べられると思われます。クコの実は基本的にはドライフルーツにして食され、葉や芽も食用になり、漢方にも用いられています。そんなクコの花はナス科であるためか紫が目立つものの、形としては特殊化はしておらず、一般的な花に近くおそらく小型のハナバチが主に訪れると思われます。果実は自然界では鳥やタヌキに利用されます。本記事ではクコ(枸杞)とグミ(茱萸)の分類・利用方法・クコの送粉生態・種子散布について解説していきます。

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※当サイトは日本語が原文です。他言語は自動翻訳されたものであり、学名や専門用語が間違っている可能性があります。

夏にできる美味しく赤い液果

クコ(枸杞) Lycium chinense は日本全土・朝鮮半島・中国・台湾に分布する低木で(平野,1997)、南アジア(ネパール)・東南アジア(タイ・マレーシア・インドネシア)・ヨーロッパで栽培され野生化することがあり(Paisooksantivatana, 1994)、近年は北アメリカにも広がっています(白瀧,2018)。平地で土手や溝などの荒れ地や水辺の砂地がある場所に生息します(田中,1995;大橋ら,2017)。果実や葉を食用にするために栽培されます。

グミ(茱萸)とは植物学的にはグミ属の総称で特定の植物種を指す名前ではありませんが、園芸ではトウグミ Elaeagnus multiflora var. hortensis、またはそのトウグミの園芸品種から生まれた果実の大きいダイオウグミ Elaeagnus multiflora var. giganteaのことを指すのが一般的です(船越,2017)。ダイオウグミは園芸では「ビックリグミ」とも呼ばれます。

トウグミは北海道(渡島半島)・本州(中部以北の日本海側、近畿中部)に分布し、林縁や樹林内に生える落葉低木です(神奈川県植物誌調査会,2018)。果実を食用にするために栽培されます。

クコとグミは遠くから見るとどちらも美味しそうな赤い液果であり、葉も長楕円形~楕円形なのであまり詳しくない人が果実だけを見ると区別がつかないかもしれません。

クコとグミと葉と花で見分けるのが確実、果実は果柄に違いあり

しかし、クコはナス科で、グミはグミ科に含まれ、分類は全く異なり収斂進化の結果です。葉や茎にはかなり違いがあります。

まず葉には顕著な違いがあります。クコでは葉全体はやわらかい紙質で無毛であるのに対して、トウグミでは銀白色または褐色の鱗状毛や星状毛があり、遠目では無数のつぶつぶが見え、キラキラしています。

茎についてはクコでは稜(りょう:角のこと)があり棘があります。トウグミでは稜はなく刺もありません。ただし他のグミ属の種類では刺があることがあるので注意してください。

花は全く異なり、クコでは花冠は淡紫色で広い漏斗形であるのに対して、花は淡黄色で花冠の代わりの萼筒は円筒形です。

果実が一番難しいですがまず果期にずれがあります。クコでは果期が8~11月であるのに対して、トウグミでは果期が6~7月です。しかし地域や天候によっては多少重なる時があるかもしれません。

他の違いとしては、果実が植物体に付くための細長い器官である果柄は、クコでは果実側で太く丸く膨らみそこから急にくびれて細くなりますが、トウグミでは常に細くなっています。

以上から確実に見分けることが出来ます。果実の形や色から判断するのはかなり難しいと思います。

グミの種類を見分けたい方は別記事を御覧ください。

07.1847 トウグミ 花
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クコの葉上面
クコの葉上面|© 2021-2026 生態情報 Kenichi Ikeda
クコの葉下面
クコの葉下面|© 2021-2026 生態情報 Kenichi Ikeda
クコの花
クコの花|© 2021-2026 生態情報 Kenichi Ikeda
トウグミの葉上面
トウグミの葉上面|© 2021-2026 生態情報 Kenichi Ikeda
トウグミの葉下面
トウグミの葉下面|© 2021-2026 生態情報 Kenichi Ikeda
トウグミの花
トウグミの花|© 2021-2026 生態情報 Kenichi Ikeda
クコの果実
クコの果実|Amazonより引用・購入可能
ダイオウグミ(ビックリグミ)の果実
ダイオウグミ(ビックリグミ)の果実|Amazonより引用・購入可能

グミは生食可能だが、クコは生食はいまいち?

クコの人間との関わりとしてはやはり赤い液果が有名で、現在ではドライフルーツとして食べられることが最も身近でしょう。生食も可能ですが「生臭くとても薄味で、やや苦味がある」との意見があり、あまり美味しくないようです。ただし、園芸品種の千成クコは完熟すればトマトとベリーを合わせたような、ほのかな甘みと酸味があり美味しいようです。

この他、春の若芽や夏から秋にかけての葉は茹でて水にさらし、和え物やお浸しにしたり、生のものをよく洗って天ぷらや炒め物、汁の実として調理されます。よく熟れた果実は、よく洗ってホワイトリカーに漬け込み、果実酒にします。また葉や根は細かく刻んで乾燥させ、クコ茶として飲用します。

漢方薬としても果実、根皮や葉が用いられます(白瀧,2018)。

トウグミは生食のほか、ジャムなどに加工したり、果実酒(グミ酒)として利用されます。生食の味は「甘酸っぱく、口に残る渋味がある」というものや「渋味がほとんどなく甘みもあるため生食に耐える」とあり諸説ありますが、栽培変種のダイオウグミであれば基本的には美味しいと思います。ただし他のグミ属の種は酸味や苦味が強く加工しなければ食べるのは難しいでしょう。

ナス科だが葯の形状が全く違う花にはハナバチが主にやってくる?

クコの花は果実に劣らず鮮やかで淡紫色で漏斗型になっています(大橋ら,2017)。花期は7〜11月で夏から秋に咲き、ナスとは同じナス科ですが、雄しべの形は全く異なり、一般的な形をした葯が花外につきだしていますね。

この花に訪れるのは海外の記録によるとハチ、ハエ、アリとされており(Paisooksantivatana, 1994)、日本の記録でもミツバチ(Howes, 2015)やアカバネコハナバチ(幾留,1992)が確認できます。『Google画像検索』でも日本の記録としてハナバチ類の一種やキムネクマバチが訪れている様子が確認できました。全体の比率を調べた研究はまだないと思われますが、日本では漏斗の中に口を伸ばせるハチが多いのではないかと思われます。

ナスを含むナス属の仲間では花粉を運ぶ虫は振動送粉ができるハナハチに限定されているのに対して、クコでは様々なハナバチに対応していると言えます。そのような花粉の運ばせ方で大丈夫な理由は完全に解明されたとは言えませんが、クマバチのように花粉を運ばず、花の外から蜜だけを盗んでしまう盗蜜を行う虫が少ない環境で進化してきたといったことがあったのかもしれません。しかし、クマバチが訪れてる写真もあったため、実際のところは不明で研究が不足しています。

Solanum Melongena Flower
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クコの液果は鳥と哺乳類が食べる?

ヒトが加工してようやく美味しく食べれるクコでは自然界ではどのような動物が食べるのでしょうか?

この点は研究が不足していますが、カキノキの樹木の下に鳥類によって運び込まれたクコの種子があったことから鳥による散布が考えられます(高槻,2021)。

しかし、タヌキに利用されているという報告もあります(高槻,2018)。

どちらにも利用されている可能性はありますが、水辺の砂地がある場所に生えることから鳥類による散布の方がメインなのかもしれません。中国の研究でも鳥散布として扱われています(Li et al., 2006)。

しかし、どのような鳥の種類が好むかということは分かっていないようです。

引用文献

船越亮二. 2017. 自分で育てて、食べる果樹100 おなじみの果物から人気のベリー類まで. 主婦の友社, 東京. 167pp. ISBN: 9784074272013

平野隆久. 1997. 樹木ガイドブック 庭、公園、野山で見られる樹木の特徴と利用法がわかる. 永岡書店, 東京. 319pp. ISBN: 9784522215579

Howes, F. N. 2015. Plants and Beekeeping. Andesite Press, California. 264pp. ISBN: 9781296522247

幾留秀一. 1992. 都市型自然公園の環境とハナバチ相―鹿児島市城山公園における調査結果― 附.鹿児島県本土のハナバチ類改訂目録. 鹿児島女子短期大学紀要 27: 99-135. ISSN: 0286-8970, http://id.nii.ac.jp/1121/00000877/

神奈川県植物誌調査会. 2018. 神奈川県植物誌2018 電子版. 神奈川県植物誌調査会, 小田原. 1803pp. ISBN: 9784991053726

大橋広好・門田裕一・邑田仁・米倉浩司・木原浩. 2017. 日本の野生植物 (改訂新版, Vol. 5 ヒルガオ科~スイカズラ科). 平凡社, 東京. 760pp. ISBN: 9784582535358

Paisooksantivatana, Y. 1994. Lycium chinense. In: J. S. Siemonsma, & K. Piluek (Eds.), Plant Resources in South-East Asia (No. 8 Vegetables, pp. 198-199). Pudoc. ISBN: 9789022010587, http://uses.plantnet-project.org/en/Lycium_chinense_(PROSEA)

白瀧義明. 2018. 野山の花 身近な山野草の食効・薬効 クコ Lycium chinense Miller(ナス科 Solanaceae). New Food Industry 60(9): 52-54. ISSN: 0547-0277, https://www.i-repository.net/il/user_contents/02/G0000284repository/pdf/JOS-05470277-60(9)-52.pdf

高槻成紀. 2018. タヌキが利用する果実の特徴―総説. 哺乳類科学 58(2): 237-246. https://doi.org/10.11238/mammalianscience.58.237

高槻成紀. 2021. 麻布大学キャンパスのカキノキへの鳥類による種子散布. 麻布大学雑誌 32: 1-9. http://id.nii.ac.jp/1112/00005374/

田中孝治. 1995. 効きめと使い方がひと目でわかる 薬草健康法. 講談社, 東京. 123pp. ISBN: 9784061953727

出典元

本記事は以下書籍に収録されてるものを大幅に加筆したものです。

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  2. Haviland-Jones, J., Rosario, H. H., Wilson, P., & McGuire, T. R. (2005). An environmental approach to positive emotion: Flowers. Evolutionary Psychology, 3(1), 147470490500300109. https://doi.org/10.1177/147470490500300109
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