ヨコバイ科の種類は?ウンカとの違いは?害はある?何を食べる?恋愛コミュニケーションは「振動」で行っていた!?体色の役割は?

動物
Bothrogonia ferruginea

ヨコバイはヨコバイ科の総称で世界中に分布し、主に草本植物の茎や葉に生息するグループです。世界では少なくとも20,000種が記載されていて、現在日本では190属576種が知られており、非常に多様化し繁栄しているグループです。近い仲間にウンカが居ますが、外観をよく確認すれば簡単に区別できます。アワフキムシは更に近いグループですが、生態は大きく違いますし、形態的にも後脚の構造を確認すれば区別できます。ヨコバイは殆どのカメムシ目と同じように植食性で草から吸汁することで生きているので直接的な害は殆どないと言っていいですが、栽培植物から吸汁する種類に関してはその個体数で大きな被害を出すことがあります。一方で生態系では食物連鎖を繋ぐ重要な存在です。ヨコバイの生活は完全に寄主植物に依存し、非常に単調な生活を送っていますが、近縁グループに比べれば後脚が長いため、名前の通り俊敏な「横這い」が可能ですし、夜間にも活発な行動も見られます。「ブロコソーム」というヨコバイ科の固有物質も有名で、疎水性のコーティングを様々な用途に用いています。行動として面白いのはヒメヨコバイ亜科では求愛時に雌雄両方が茎の振動によるコミュニケーションをとる点です。ただしこれは鳥やセミのようなメスのよるオスの選択というより、同種を認識するための手段であり、あまりロマンチックなものではなさそうです。体色の多様性はヨコバイを観察していて最も目立つ部分ですが、その進化的な考察は不足しています。隠蔽色と考えられるものも多いですが、目立つ色の種類も多いです。その一部はベイツ型擬態として働いているのかもしれませんがまだよく分かっていません。本記事ではヨコバイの分類・形態・生態について解説していきます。

スポンサーリンク
  1. ヨコバイとは?ウンカとの違いは?
  2. ヨコバイとアワフキムシの違いは?
  3. 何を食べる?害はある?役に立つことはある?
  4. 生活史は?単調すぎる植物上での生活をしていた!?
  5. ヨコバイ科固有物質の「ブロコソーム」の役割は?
  6. 恋愛コミュニケーションは「鳴き声」か「茎の振動」で行っていた!?
  7. 体型や体色の役割は?
  8. ヨコバイ科にはどんな種類がいる?同定方法は?
    1. No.03432 カンキツヒメヨコバイ Apheliona ferruginea(ヒメヨコバイ亜科)
    2. No.03443 キスジミドリヒメヨコバイ Austroasca vittata(ヒメヨコバイ亜科)
    3. No.03465 ツマグロオオヨコバイ Bothrogonia ferruginea(オオヨコバイ亜科)
    4. No.03472 オオヨコバイ Cicadella viridis(オオヨコバイ亜科)
    5. No.03479 ベニヒメヨコバイ Dayus takagii(ヒメヨコバイ亜科)
    6. No.03485 マダラヒメヨコバイ Diomma pulchra(ヒメヨコバイ亜科)
    7. No.03540 キスジカンムリヨコバイ Evacanthus interruptus(カンムリヨコバイ亜科)
    8. No.03569 ヤノズキンヨコバイ Idiocerus yanonis(ズキンヨコバイ亜科)
    9. No.03582 マエジロオオヨコバイ Kolla atramentaria(オオヨコバイ亜科)
    10. No.03587 ミミズク Ledra auditura(ミミズク亜科)
    11. No.03588 コミミズク Ledropsis discolor(ミミズク亜科)
    12. No.03591 ホシヒメヨコバイ Limassolla multipunctata(ヒメヨコバイ亜科)
    13. No.03644 オビヒメヨコバイ Naratettix zonatus(ヒメヨコバイ亜科)
    14. No.03646 ツマグロヨコバイ Nephotettix cincticeps(ヨコバイ亜科)
    15. No.03681.a クワキヨコバイ属の一種 Pagaronia sp.(カンムリヨコバイ亜科)
    16. No.03714 クロヒラタヨコバイ Penthimia nitida(ヨコバイ亜科)
    17. No.03720 クロサジヨコバイ Planaphrodes nigricans(ヨコバイ亜科)
    18. No.03751 ヒラタミミズク Tituria angulata(ミミズク亜科)
    19. No.03768 ホシヨコバイ Xestocephalus japonicus(ホシヨコバイ亜科)
    20. No.03776 イナズマヒメヨコバイ属の一種 Ziczacella sp.(ヒメヨコバイ亜科)
  9. 引用文献

ヨコバイとは?ウンカとの違いは?

ヨコバイとは分類学的にはカメムシ目 Hemiptera、頸吻亜目 Auchenorrhyncha、ヨコバイ科 Cicadellidae に含まれる昆虫のことを指します。

ヨコバイ科は世界中に分布し、主に草本植物の茎や葉に生息するグループです。世界では少なくとも20,000種が記載されていて、現在日本では190属576種が知られています(日本昆虫目録編集委員会,2016)。これはカメムシ目の中ではアブラムシ科に次ぐ種類の多さで、非常に多様化し繁栄しているグループであると言えるでしょう。

ヨコバイ科は近縁の種類とはどのような違いがあるのでしょうか?

ウンカ類は分類上も近く、同様の生息地や生態を持っているため混同される種類です。

しかし、ヨコバイ科では触角の第1節、第2節がやや太くなる程度であるのに対して、ウンカ類では触角の第1節、第2節が非常に太く遠目にも目立ちます(日高ら,1996)。

またヨコバイ科は頭部が横に伸びて上から見るとまるで「くの字のブーメラン」のような形ですが、ウンカ類はそのようにはなっていません。ただしグンバイウンカのように例外もあります。

ウンカ類は「偽瞳孔」と呼ばれる複眼に瞳孔のような黒い点が目立つことも参考になりますが、これは日中のみの特徴です。

分類学的にはヨコバイ科では単眼が複眼の間に並んでいるのに対して、ウンカ類では単眼が複眼の下またはその近くにあるという点が挙げられています(伊藤ら,1977)。

この他、標本にして細かく観察することで分かる違いもありますが、本記事では省略します。

トビイロウンカ

ヨコバイとアワフキムシの違いは?

アワフキムシ科も非常にヨコバイに近く、外見上はよく似ている仲間です。

しかし、ヨコバイ科では後脚脛節は長く、隆起線があって角ばり、大きな爪状の突起はなく多数の棘毛(しばしば2列)があります。後脚基節も横に長く、胸部腹面の側縁に達し平板状です。

それに対して、アワフキムシ科では後脚脛節は短く、円筒形で、外方に1本か2本(まれに4本)の大きな爪状突起があります。後脚基節も短く、円錐形で側方に広がりません。

形態上は少し分かりにくいかもしれませんが、生態との関係を考えれば難しくありません。

ヨコバイ科は後脚が長いため、名前の通り「横這い」が可能で、植物上で横歩きを行い、刺激があると素早く裏側に回り込みます。更にバッタのようにジャンプも可能です。それに対して、アワフキムシ科は後脚が短くこのような動きはできません。ヨコバイ科の多数の棘毛は「ブロコソーム」と呼ばれる疎水性の物質の塗油に利用されます。

また成虫からは分かりませんが、アワフキムシ科の幼虫は植物の茎や枝に作った泡の塊や石灰質の管状の巣の中に住みます。しかし、ヨコバイ科はそのようなことは行いません。

ムネアカアワフキ♀

何を食べる?害はある?役に立つことはある?

ヨコバイは殆どのカメムシ目と同じように植食性で、主に草本植物の茎や葉に口吻と口針を突き刺し、導管液(水が主成分の液)や篩管液(光合成による栄養豊富な液)を吸うことで生活しています(日高ら,1996)。これ以外の物を食べる種類は確認されていません。

ただし、ヨコバイの腹部には「菌細胞塊(バクテリオーム)」と呼ばれる共生器官が1対存在しており、細胞内共生細菌から必須アミノ酸を受け取っていることも分かっています(古賀,2014;冨澤・野田,2014)。これは偏食による栄養不足を補う役割があると考えられます。

極稀にヒトに刺すことがありますが(Núñez & Aiello, 2013)、国内では例が少なく、重篤な症状になることはまず無いので、ヨコバイの直接的な害は無いと考えてよいでしょう。

しかし、栽培植物を寄主とするヨコバイの仲間については直接食害することに加えて、病気を媒介することも知られています(梅谷・岡田,2003;江村ら,2012)。普通のカメムシ類より小型で捕食される率が高いため、卵を多く産み、個体数を多くする戦略をとっているので(r戦略)、環境が整うと大量発生することがあるのが、厄介なところです。以下食害するヨコバイの代表例を挙げます。

  • ツマグロヨコバイ Nephotettix cincticeps はイネを食害し、萎縮病(イネ萎縮病ウイルスが原因)・黄萎病(ファイトプラズマが原因)などの伝染病を媒介します(法橋,1972)。
  • イナズマヨコバイ Maiestas dorsalisRecilia dorsalis はシノニム)はイネを食害します(松本,1988;Webb & Viraktamath, 2009)。
  • チャノミドリヒメヨコバイ Jacobiasca formosanaチャノキを食害します(岡田,1971)。
  • ツマグロオオヨコバイ Bothrogonia ferruginea はダイズ、ナンキンマメ(ラッカセイ)、マグワ、チャノキブドウ、柑橘類、カキノキ、イチジクなど多くの植物を吸汁することがありますが、多くのものでは実害が出るほどの影響にはなりません(Ishihara, 1962;梅谷・岡田,2003)。ただしマグワでは吸汁や産卵による傷で枝の生長が阻害されることがあります。

これらの事実だけを聞くとヒトにとって有害であることばかり強調されるかもしれません。

しかし、全てのヨコバイの種類が栽培植物に寄生するわけではありませんし、捕食動物であるカスミカメムシ類、アメンボ類、カマバチ類を含む寄生蜂、クモ類、カエル類などの重要な餌となっていることもよく知られています(中須賀,1977;小林,1963;半田・三田,2018;小杉,2003;小野ら,2004)。これらの動物は鳥や哺乳類など更に高次の捕食動物の栄養になっていきます。

他にもある特定の植物だけが増殖するのを抑えていることも考えられるでしょう。

したがって生態系という観点では食物連鎖により植物から動物への栄養の繋がりを担う非常に重要な存在です。ヨコバイは草原に最も多く生息する植物食性昆虫の一つとされ、イギリスの草原では、真夏になると1haあたり100万匹を超える個体数が発生することもあることから(Hamilton & Whitcomb, 2010)、日本でも同様のことが考えられ、その影響力は無視できません。確かに一部の種類は害がある場合もありますが、その存在の重要性については深くヒトも知る必要があるのでしょう。

生活史は?単調すぎる植物上での生活をしていた!?

ヨコバイの行動圏は寄主植物に完全に依存することになります(日高ら,1996)。1種の植物しか寄主としない「単食性」、もしくは数種の植物を寄主とする「狭食性」の種類は特殊な環境にしか生活していませんが、寄主植物が複数の科にまたがる「広食性」の種類では多様な環境で生活することができます。

一見、広食性になる方が一方的に有利にも思えますが、単食性の方が植物の種類ごとの特有の構造や毒性に対抗しやすく、広食性のヨコバイとの種間競争にも強くなるので、生えている植物が偏っている場合は単食性が有利になることもあります。

そのヨコバイの生活は非常に単調です。

生活の大半が植物からの吸汁に当てられており、ツマグロヨコバイでは1日の85%が吸汁行動に当てられていることが分かっています。

そのため、ある意味「ただひたすら植物の汁を吸う機械」ということができるかもしれません。

しかし、後脚が長いため、名前の通り「横這い」が可能で、植物上で横歩きを行い、刺激があると素早く裏側に回り込みます。更にバッタのようにジャンプも可能です。これは近縁のグループにはできないことで活発な活動を示す例です。このような特徴は捕食者から逃れるのに役立っているのでしょう。ただし、環境が安定すると、前翅と後翅が縮小し飛翔できない短翅型が現れる種類もいます。

また、夜間は街灯に惹かれて集まってくる姿がよく見られ、ライトトラップを仕掛けるとやはり大量のヨコバイがやってきます。この事実もヨコバイが夜間にも積極的に飛翔して活動し、植物間を移動していることを示していますが、この時の活動の詳細は調査が難しくあまり良くわかっていないようです。

ヒトの目から見ると単調すぎる生活に見えますが、同じような生活をするアブラムシに比べれば明らかに体が発達しており、実態はそうでないのかもしれません。

ヨコバイ科固有物質の「ブロコソーム」の役割は?

「ブロコソーム(brochosome)」というヨコバイ科固有の物質を分泌することも知られています。この物質は昆虫の主要な排泄器官であるマルピーギ管の特殊な腺セグメントの細胞内で生成されます。ブロコソームは均一な球形の粒子で、通常直径が0.2~2.0μmの間にあります。

ブロコソームの構造|Yang et al. (2017): Fig. 1 より引用

ブロコソームは脱皮後に肛門から液滴とともに放出され、歩脚で体を擦ることで全身に「塗油」され、疎水性のコーティングとして外皮上に広がります。乾いた後のブロコソームも定期的にグルーミングを繰り返し行うことで、体と歩脚全体に塗ります。

このコーティングにより雨の時の活動も容易にしているというのが第一に想像できますが、その機能は多岐に渡ると考えられています(Rakitov, 2004)。

ブロコソームの疎水性は雨だけではなく、自身が出す液体排泄物に対しても有効です。この排泄物は篩管液の糖に由来するものですが、粘性が高く、これが空気を出し入れする気門に付着すれば呼吸困難陥りかねません。またその粘性で動きも鈍くなるでしょう。ブロコソームはこのような自体も防止しています。

また粘着性のクモの巣に引っかかったときに、チョウ目の鱗粉のように逃げる役割が考えられます。

更に真菌(カビ)からの保護や、乾燥防止といった機能もあることが分かっています。

一部の種類のメスでは自身だけではなく、ブロコソームを産卵前に前翅に蓄えており、植物に卵を挿入した後に後脚でブロコソームを卵に擦りつけている様子が観察されています。

こちらの用途も上述の同じ理由が考えられますが、これらに加えて植物に埋め込んだ際に植物が傷跡を閉じるのを防ぎ、卵が呼吸できるようにしていると考えられています。

これだけでも十分に多機能ですが、最近の研究ではブロコソームの反射防止特性により、ブロコソームでコーティングされた表面が寄生蜂や捕食昆虫の眼には葉のように見えるため、卵のカモフラージュとしても使用されていることが分かってきました(Yang et al., 2017)。

恋愛コミュニケーションは「鳴き声」か「茎の振動」で行っていた!?

多くのヨコバイのオスはセミ科など多くの同翅類と同様に「鳴き声によるコミュニケーション」を行うことが知られています(Davranoglou et al., 2020)。ただ、メカニズムとしてはセミと同じものですが、セミほど目立つ音ではないので一般的に人間が耳で聞くことはできないでしょう。

この鳴き声を出す発声器もやはりセミ科など多くの同翅類のオスが持っているものと共通で、「発音膜器官(tymbal organ)」と呼ばれています。これは腹部外部にある「発音膜構造(tymbal structure)」と腹部内部にある「発音筋(tymbal muscle)」から構成されています(岩本,2018)。

その具体的な発音メカニズムはここでは書ききれませんが、端的に言うと発音膜を筋肉で伸ばしたり戻したりすることで音を出しています。

このようなコミュニケーションは一般的にメスが好みのオスを選択する「求愛ディスプレイ」として機能しています。鳥の囀り(さえずり)もその代表例です。

ところが、ヒメヨコバイ亜科や一部のヨコバイ類の場合はこれとは更に異なる「振動によるコミュニケーション」を発達させていることが分かっています(日高ら,1996;Davranoglou et al., 2020)。

ヒメヨコバイ亜科一部のヨコバイの仲間は雌雄同士、この筋肉で腹部を振動させて、茎を細かく振動させることでコミュニケーションをとります。

このコミュニケーションの面白い点はセミや発音膜器官を持つヨコバイのようにオスからメスへ一方的に行われるものではなく、雌雄お互いに振動を伝え合うということです。

これらのヨコバイでは「ヒメヨコバイ亜科器官(typhlocybine organ)」とも呼ばれる「振動器官」を新たに発達させており、このヒメヨコバイ亜科器官は発音膜器官とともに両方を保持されている場合もありますが、ヒメヨコバイ亜科では発音膜器官は退化し、ヒメヨコバイ亜科器官に完全に置き換わっています。

ヒメヨコバイ亜科器官の特殊な点はオスメス両方ともに存在しているということで、腹部第1節、第2節の腹板にある板状の内突起(abdominal apodemes)と太い筋肉から構成されており、これによって植物の茎などの基質を振動させています。

どんな時にこの振動コミュニケーションを行うかというと、近距離で雌雄が対峙した時に加えて、交尾の直前にも行われます(Derlink et al., 2018)。そのため、オスからの一方的な求愛ディスプレイではないにしても、やはり他の同翅類のように何らかの求愛ディスプレイに使用されていると考えるかもしません。

ところが、この振動コミュニケーションの役割の大きな部分は求愛ディスプレイではなく「同種の認識」であると考えられ始めています。

ヒメヨコバイ亜科器官を持つヨコバイの種類間で振動の頻度や強さが異なり、同じ振動の頻度や強さの場合にのみ反応する事も分かっています(Tishechkin, 2015; Derlink et al., 2018)。

つまり、音によるコミュニケーションの意味がヒメヨコバイ亜科器官を持つヨコバイの種類では変わってしまったようなのです。

その理由は完全には分かりませんが、ヒメヨコバイの場合、r戦略をとり繁殖回数がとても多いことから求愛ディスプレイを行う必要性が減っているのは大きな要因となっているかもしれません。繁殖回数が多く子供が沢山作れるのなら、そもそも念入りに配偶者を選択するのは時間の無駄であると言えるからです。勿論、メスは卵を産みっぱなしにするので哺乳類や鳥のように子育てに苦労することもありません。

実際、雌雄お互いに振動を行うことと、雌雄に体色の差が無い種類が多いことは求愛ディスプレイを行う種類の特徴ではありませんし、メスはオスの微妙な振動の差を区別しないことが実験で示されています(Hunt et al., 1992)。これらの事実はメスはオスを選り好んでいないことを示している可能性があります。

興味深いことにオスの振動を受けているメスの近くに、別のオスが居た場合、そのオスは振動中のオスとメスのコミュニケーションを妨害することを目的とした振動を行うことも知られています(Derlink et al., 2018)。しかしこの点も、妨害オスがメスに振動中のオスより優れていることを示しているとも解釈できますが、単に振動を妨害してコミュニケーション行動を停止させることが目的と解釈する方が自然かもしれません。

恋愛コミュニケーションというととてもロマンチックにも感じますが、ヒメヨコバイの場合はむしろ沢山の個体がいる中で同じ種類を発見するという合理性を追求してできた形であると言え、過度な擬人化が禁物な好例かもしれませんね。ただ雌雄で明らかに色が異なり、「性的二型」が発達している種類はオスによるメスへの求愛行動に変化している可能性が残されているでしょう。

交尾後はメスは尖った産卵管を植物組織に差し込み産卵します。一部の種類のメスではブロコソームを産卵前に前翅に蓄えており、卵の挿入後に後脚でブロコソームを産卵部位に擦りつけているのが観察されています(Rakitov, 2004)。

1匹のメスの産卵数が100個前後であるとされ、大多数の種類ではその繁殖力で年に数世代を繰り返しています。

体型や体色の役割は?

ヨコバイの姿や色はかなり多様性があり、特に翅の色はカラフルな場合がありますが、これらにはどのような役割があるのでしょうか?

残念ながらこのような観点からの研究は不足しています。

ただ一般論としてイネ科やカヤツリグサ科の植物を寄主とするヨコバイの場合、細長く流線形をしており、細い葉の上で、捕食者から見えにくくすることに役立っていると考えられています(日高ら,1996)。

また体色に関しては体や翅の色は緑~薄茶色など植物体と同じ色が多く、模様もまだら模様や縦の筋があって、植物体と紛らわしいです(保護色)。

しかしこれだけでは説明できない点も多いです。明らかにカラフルで目立つ色も存在しています。このような色にメリットはあるのでしょうか?

その理由としては不明ながらいくつか考えられます。

まず、雌雄で色に違いがある「性的二型」が存在する場合は、オスがメスにアピールするための色であると考えられるでしょう。上述のように大部分のヨコバイは性的二型がありませんが、ツマグロヨコバイやマエジロオオヨコバイでは翅の色に明らかな違いがあります。これらの種類ではメスを巡るオスの競争が激しく性選択が働いて、目立つデメリットを超えて有用に働いているのかもしれません。しかし具体的な研究はありません。

また無毒でありながら有毒な昆虫に擬態する「ベイツ型擬態」としての役割を持っている種類も考えられます。ツマグロオオヨコバイは頭部・前胸背板・小楯板に大きな黒い楕円形の斑紋がありますが、これは有毒なナナホシテントウ Coccinella septempunctata の蛹に擬態していることが指摘されています(Yamazaki, 2010)。一見似ていないようにも見えますが、同サイズの捕食者が正面から見ると、蛹に似ています。まだ本当に捕食者がそのように判断するのかは分かっていませんが、興味深い仮説と言えるでしょう。

更に本当に有毒で、「警告色」として働いている可能性も考えられるでしょう。しかしこちらも、近縁グループのコガシラアワフキ科には有毒な種類が確認されているものの(Peck, 2000; Thompson & Carvalho, 2016)、今のところヨコバイ科で有毒なものは報告されていません。

色彩は種内・種間で大きな影響を与える可能性がありますがこのように断片的にしか分かっておらず、今後の研究が期待されるところです。

ヨコバイ科にはどんな種類がいる?同定方法は?

ここでは私が今まで撮影してきたヨコバイ科を標本も含めて紹介します。誤同定を確認した場合、予告なく変更しています。基本的な分布は日本昆虫目録編集委員会(2016)、形態や生態は伊藤ら(1977)によります。

日本ではかなり種類が多いものの、研究不足でまとまった同定資料はわずかです。検索表については『絵解きで調べる昆虫1 環境アセスメント動物調査講演会 絵解き検索シリーズ総編集』の「同翅類とヨコバイ科の絵解き検索」(紙谷,2013)がありますが入手困難で図書館での複写が必要でしょう。図鑑については殆ど唯一『九州でよく見られるウンカ・ヨコバイ・キジラミ類図鑑』があるのみです(三枝ら,2013)。あとは断片的な資料で補うしかありません。ヨコバイ科まで、ヨコバイ科の亜科までの同定なら『原色日本昆虫図鑑 下 全改訂新版』で可能です(伊藤ら,1977)。ただし分類が古いのでその点は注意が必要です。『Google画像検索』で出てくる国内外の写真も必ずしも同定が正しいわけではありませんが近い仲間を調べる際には大いに参考になるでしょう。今後簡単な同定が出来るようになることを期待しています。

No.03432 カンキツヒメヨコバイ Apheliona ferruginea(ヒメヨコバイ亜科)

本州、伊豆諸島、四国、九州、対馬、大隅諸島、沖縄諸島、慶良間諸島、八重山諸島;中国に分布します。成虫は秋に柑橘類の果実に集まって油胞を吸汁します。

カンキツヒメヨコバイ

No.03443 キスジミドリヒメヨコバイ Austroasca vittata(ヒメヨコバイ亜科)

本州、九州、対馬;韓国、中国、ロシア、モンゴル、旧北区に分布します。

キスジミドリヒメヨコバイ

No.03465 ツマグロオオヨコバイ Bothrogonia ferruginea(オオヨコバイ亜科)

本州、四国、九州、対馬、大隅諸島;韓国、中国、台湾、東南アジア、アフリカ(不明確)に分布します。ダイズ、ナンキンマメ(ラッカセイ)、マグワ、チャノキブドウ、柑橘類、カキノキ、イチジクなど多くの植物を吸汁することがありますが、多くのものでは実害が出るほどの影響にはなりません(Ishihara, 1962;梅谷・岡田,2003)。ただしマグワでは吸汁や産卵による傷で枝の生長が阻害されることがあります。頭部・前胸背板・小楯板に大きな黒い楕円形の斑紋がありますが、これは有毒なナナホシテントウ Coccinella septempunctata の蛹に擬態していることが指摘されています(Yamazaki, 2010)。一見似ていないようにも見えますが、同サイズの捕食者が正面から見ると、蛹に似ています。

ツマグロオオヨコバイ成虫
ツマグロオオヨコバイ幼虫

No.03472 オオヨコバイ Cicadella viridis(オオヨコバイ亜科)

北海道、本州、四国、九州、対馬、大隅諸島;韓国、中国、ロシア、ベトナム、旧北区に分布します。各地の草間や樹林内に普通で、各種の植物に寄生し、イネ・チャノキなど多くの作物の害虫として知られます。

オオヨコバイ

No.03479 ベニヒメヨコバイ Dayus takagii(ヒメヨコバイ亜科)

本州、九州、対馬、大隅諸島、奄美諸島、沖縄諸島;韓国、台湾、中国に分布します。

ベニヒメヨコバイ

No.03485 マダラヒメヨコバイ Diomma pulchra(ヒメヨコバイ亜科)

本州、四国、九州、対馬、大隅諸島、奄美諸島、沖縄諸島、八重山諸島;韓国、台湾、中国に分布します。

マダラヒメヨコバイ

No.03540 キスジカンムリヨコバイ Evacanthus interruptus(カンムリヨコバイ亜科)

千島列島、北海道、本州、四国、九州;韓国、中国、ロシア、旧北区に分布します。山地のキク科植物上で、7~8月に出現します。筆者は奈良県の初記録を報告しています(池田,2020)。

キスジカンムリヨコバイ

No.03569 ヤノズキンヨコバイ Idiocerus yanonis(ズキンヨコバイ亜科)

本州、伊豆諸島、四国、九州、対馬、大隅諸島、奄美諸島、沖縄諸島に分布します。筆者は奈良県の初記録を報告しています(池田,2020)。

ヤノズキンヨコバイ♀

No.03582 マエジロオオヨコバイ Kolla atramentaria(オオヨコバイ亜科)

千島列島、北海道、本州、四国、九州、対馬、奄美諸島、沖縄諸島、慶良間諸島、宮古諸島、八重山諸島;韓国、中国、ロシア、ミャンマーに分布します。

マエジロオオヨコバイ♂♀の交尾

No.03587 ミミズク Ledra auditura(ミミズク亜科)

本州、四国、九州、対馬、八重山諸島;韓国、中国、極東ロシア、台湾に分布します。前胸背板の後半上に大きな1対の耳状突起があり、オスではやや上方に突出ですがメスでははるかに大形で前上方に伸びます。枝にぴったりと体を付けて影を隠してカモフラージュします(海野,2019)。成虫は7月ごろから現れ、成虫越冬、幼虫はクヌギなどブナ科植物に寄生します。

ミミズク♀
ミミズク幼虫

No.03588 コミミズク Ledropsis discolor(ミミズク亜科)

本州、四国、九州、対馬;韓国、中国、極東ロシアに分布します。頭部は長く竹くら状に前方に突出し,先端は尖りません。突出部はオスよりメスの方が長いです。枝にぴったりと体を付けて影を隠してカモフラージュします(海野,2019)。平地~山地のアラカシ・クヌギ・コナラなどブナ科植物に寄生し、終齢幼虫で木の枝上で越冬、成虫は4月下旬ごろから出現します。

コミミズク♀

No.03591 ホシヒメヨコバイ Limassolla multipunctata(ヒメヨコバイ亜科)

本州、九州、天草諸島、大隅諸島、奄美諸島、沖縄諸島、慶良間諸島、大東諸島、宮古諸島、八重山諸島;中国、台湾、インド、東洋区に分布します。広葉樹に多く、ときにマグワやバラの害虫となります。成虫越冬。

ホシヒメヨコバイ

No.03644 オビヒメヨコバイ Naratettix zonatus(ヒメヨコバイ亜科)

北海道、本州、四国、九州、八重山諸島;韓国、中国、ロシアに分布します。各種の樹木に普通に生息します。

オビヒメヨコバイ

No.03646 ツマグロヨコバイ Nephotettix cincticeps(ヨコバイ亜科)

本州、四国、九州、対馬、琉球列島;台湾・朝鮮・フィリピンに分布します。オスでは翅先端1/3は黒色で、メスでは淡褐色。水田に多くイネを食害し、萎縮病(イネ萎縮病ウイルスが原因)・黄萎病(ファイトプラズマが原因)などの伝染病を媒介します(法橋,1972)。

ツマグロヨコバイ♂

No.03681.a クワキヨコバイ属の一種 Pagaronia sp.(カンムリヨコバイ亜科)

従来クワキヨコバイ Pagaronia guttigera として日本広域に分布しているとされてきましたが、現在は本州(関東地方)のみに分布するとされ(日本昆虫目録編集委員会,2016)、奈良県で撮影された写真の個体に該当する種は不明です。『日本昆虫目録 第4巻 準新翅類』には多数の種類が掲載されており、2008年時点でフィールド調査によって、日本列島からさらに140種以上の未記載種(新種)が確認されていたと言います(林,2008)。

クワキヨコバイ属の一種

No.03714 クロヒラタヨコバイ Penthimia nitida(ヨコバイ亜科)

本州、四国、九州、対馬;韓国、中国、極東ロシア、台湾に分布します。

クロヒラタヨコバイ
クロヒラタヨコバイ幼虫

No.03720 クロサジヨコバイ Planaphrodes nigricans(ヨコバイ亜科)

北海道、本州、四国、九州、対馬;韓国、中国、ロシアに分布します。

クロサジヨコバイ

No.03751 ヒラタミミズク Tituria angulata(ミミズク亜科)

九州、大隅諸島、トカラ諸島、奄美諸島、沖縄諸島、慶良間諸島、宮古諸島、八重山諸島;台湾に分布します。体は全体黄緑色で、前胸背板側方は扁平で角張ります。幼虫は広卵形で極端に扁平です。枝にぴったりと体を付けて影を隠してカモフラージュします(海野,2019)。イヌビワなどの広葉樹に寄生します。

ヒラタミミズク幼虫

No.03768 ホシヨコバイ Xestocephalus japonicus(ホシヨコバイ亜科)

北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、対馬、奄美諸島、沖縄諸島、慶良間諸島、宮古諸島、八重山諸島;韓国、中国、極東ロシアに分布します。

ホシヨコバイ

No.03776 イナズマヒメヨコバイ属の一種 Ziczacella sp.(ヒメヨコバイ亜科)

Ziczacella属の同定はオス交尾器の確認が必要です。イナズマヒメヨコバイ Ziczacella hirayamella は本州、沖縄諸島、八重山諸島;韓国、中国、ロシアに分布します。筆者は奈良県の初記録を報告し、落葉広葉樹林縁での生息を確認しています(池田,2020)。

イナズマヒメヨコバイ属の一種

引用文献

Davranoglou, L. R., Mortimer, B., Taylor, G. K., & Malenovský, I. 2020. On the morphology and evolution of cicadomorphan tymbal organs. Arthropod structure & development 55: 100918. https://doi.org/10.1016/j.asd.2020.100918

Derlink, M., Abt, I., Mabon, R., Julian, C., Virant-Doberlet, M., & Jacquot, E. 2018. Mating behavior of Psammotettix alienus (Hemiptera: Cicadellidae). Insect Science 25(1): 148-160. https://doi.org/10.1111/1744-7917.12379

江村薫・久保田栄・平井一男. 2012. 田園環境の害虫・益虫生態図鑑. 北隆館, 東京. 420pp. ISBN: 9784832608405

Hamilton, K. A., & Whitcomb, R. F. 2010. Leafhoppers (Homoptera: Cicadellidae): a Major Family Adapted to Grassland Habitats. In Arthropods of Canadian Grasslands (Volume 1): Ecology and Interactions in Grassland Habitats. Biological Survey of Canada. pp.169-197. ISBN: 9780968932148, https://doi.org/10.3752/9780968932148.ch8, https://scholar.archive.org/work/q4wpa6z2jfhtrc2but4nhl4wzu/access/wayback/http://biologicalsurvey.ca/assets/file/56

林正美. 2008. 日本列島における頸吻亜目昆虫(半翅目)の多様化に関する研究. 総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書 6: 150-151. http://id.nii.ac.jp/1586/00010988/

日高敏隆・石井実・大谷剛・常喜豊. 1996. 日本動物大百科 第8巻 昆虫1. 平凡社, 東京. 188pp. ISBN: 9784582545586

法橋信彦. 1972. ツマグロヨコバイの生活史と個体群動態に関する研究 (Doctoral dissertation, 京都大学). http://hdl.handle.net/2433/219854

Hunt, R. E., Fox, J. P., & Haynes, K. F. 1992. Behavioral response of Graminella nigrifrons (Homoptera: Cicadellidae) to experimentally manipulated vibrational signals. Journal of insect behavior 5: 1-13. https://doi.org/10.1007/BF01049154

Ishihara, T. 1962. The black-tipped leafhopper, Bothrogonia ferruginea Auct of Japan and Formosa. Japanese Journal of Applied Entomology and Zoology 6(4): 289-292. https://doi.org/10.1303/jjaez.6.289

池田健一. 2020. 奈良県未記録のカメムシ目(半翅目). ニッチェ・ライフ 8: 13-18. ISSN: 2188-0972, https://media.niche-life.com/series/008/Niche008_05.pdf

伊藤修四郎・奥谷禎一・日浦勇. 1977. 原色日本昆虫図鑑 下 全改訂新版. 保育社, 大阪. ISBN: 9784586300037

半田宏伸・三田敏治. 2018. 埼玉県内におけるカマバチ科の初記録10種を含む14種の追加記録. 埼玉県立自然の博物館研究報告 12: 33-36. https://doi.org/10.24715/smnh.12.0_33

岩本裕之. 2018. 大声を生み出すセミの原動機. 生物物理 58(5): 245-247. https://doi.org/10.2142/biophys.58.245

松本英治. 1988. イナズマヨコバイの生態学的研究 I. 温度と発育、産卵および香川県における世代経過. 日本応用動物昆虫学会誌 32(1): 1-5. https://doi.org/10.1303/jjaez.32.1

中須賀孝正. 1977. ウンカ・ヨコバイ類を刺食するメクラカメムシ2種について. 九州病害虫研究会報 23: 85-88. https://doi.org/10.4241/kyubyochu.23.85

日本昆虫目録編集委員会. 2016. 日本昆虫目録 第4巻 準新翅類. 櫂歌書房, 東京. 629pp. ISBN: 9784434218224

Núñez, E. D., & Aiello, A. 2013. Leafhoppers (Homoptera: Cicadellidae) that probe human skin: A review of the world literature and nineteen new records, from Panama. Terrestrial Arthropod Reviews 6(3): 201-225. ISSN: 1874-9828, https://doi.org/10.1163/18749836-06001064

紙谷聡志. 2013. 同翅類とヨコバイ科の絵解き検索. In: 初宿成彦. 絵解きで調べる昆虫1 環境アセスメント動物調査講演会 絵解き検索シリーズ総編集. 文教出版, 大阪. http://kandoukon.org/sub/etoki.html

小林尚. 1963. 農薬散布が水田の節足動物群集に及ぼす影響. 日本応用動物昆虫学会誌 7(3): 257-258. https://doi.org/10.1303/jjaez.7.257

古賀隆一. 2014. 偏食を可能にする─カメムシ目昆虫の多彩な必須共生細菌たち. 蚕糸・昆虫バイオテック 83(3): 187-201. https://doi.org/10.11416/konchubiotec.83.3_187

小杉由紀夫. 2003. ネコグモ、アサヒエビグモのチャノミドリヒメヨコバイに対する捕食特性と茶園での捕食状況. 静岡県茶業試験場研究報告 24: 9-16. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030691498

岡田忠虎. 1971. 九州産ミドリヒメヨコバイ類の識別に関する研究. 九州農業試験場報告 15(4): 693-735. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010825461

小野亨・城所隆・小山淳. 2004. ニホンアマガエルとトウキョウダルマガエルのツマグロヨコバイに対する捕食量の実験的解析. 北日本病害虫研究会報 55: 176-179. https://doi.org/10.11455/kitanihon1966.2004.176

Peck, D. C. 2000. Reflex bleeding in froghoppers (Homoptera: Cercopidae): variation in behavior and taxonomic distribution. Annals of the Entomological Society of America 93(5): 1186-1194. https://doi.org/10.1603/0013-8746(2000)093[1186:RBIFHC]2.0.CO;2

Rakitov, R. A. 2004. Powdering of egg nests with brochosomes and related sexual dimorphism in leafhoppers (Hemiptera: Cicadellidae). Zoological Journal of the Linnean Society 140(3): 353-381. https://doi.org/10.1111/j.1096-3642.2003.00103.x

三枝豊平・紙谷聡志・宮武頼夫・大城戸博文 ・杉本美華. 2013. 九州でよく見られるウンカ・ヨコバイ・キジラミ類図鑑. 櫂歌書房, 福岡. 190pp. ISBN: 9784434184062

Thompson, V., & Carvalho, G. S. 2016. Abrupt geographical transition between aposematic color forms in the spittlebug Prosapia ignipectus (Fitch) (Hemiptera: Cercopidae). Psyche 2016: 3623092. https://doi.org/10.1155/2016/3623092

Tishechkin, D. Y. 2015. Speciation in Macropsinae leafhoppers (Homoptera: Auchenorrhyncha: Cicadellidae)-the role of acoustic signal divergence and host plant shifts. Russian Entomological Journal 24(1): 7-16. http://kmkjournals.com/upload/PDF/REJ/24/ent24_1_007_016_Tishechkin_for_Inet.pdf

冨澤真・野田博明. 2014. ツマグロヨコバイの共生細菌と共生器官で発現するPGRP遺伝子. 蚕糸・昆虫バイオテック 83(3): 231-237. https://doi.org/10.11416/konchubiotec.83.3_231

梅谷献二・岡田利承. 2003. 日本農業害虫大事典. 全国農村教育協会, 東京. 1203pp. ISBN: 9784881371039

海野和男. 2019. フィールドガイド 身近な昆虫識別図鑑 増補改訂新版. 誠文堂新光社, 東京. 319pp. ISBN: 9784416519127

Webb, M. D., & Viraktamath, C. A. 2009. Annotated check-list, generic key and new species of Old World Deltocephalini leafhoppers with nomenclatorial changes in the Deltocephalus group and other Deltocephalinae (Hemiptera, Auchenorrhyncha, Cicadellidae). Zootaxa 2163(1): 1-64. https://doi.org/10.11646/zootaxa.2163.1.1

Yamazaki, K. 2010. Leafhopper’s face mimics the ladybird pupae. Current Science 98(4): 487-488. https://www.researchgate.net/profile/Kazuo-Yamazaki-2/publication/290082959_Leafhopper’s_face_mimics_the_ladybird_pupae/links/570c3c8b08ae2eb94223bf20/Leafhoppers-face-mimics-the-ladybird-pupae.pdf

Yang, S., Sun, N., Stogin, B. B., Wang, J., Huang, Y., & Wong, T. S. 2017. Ultra-antireflective synthetic brochosomes. Nature communications 8(1): 1285. https://doi.org/10.1038/s41467-017-01404-8

error:
タイトルとURLをコピーしました