What are the differences between Spiraea thunbergii, Spiraea cantoniensis, and Lycaena phlaeas? We explain how to distinguish between similar species! Did you know that flies surprisingly love the flowers of Spiraea thunbergii in gardens?

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Spiraea thunbergii

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ユキヤナギ・コデマリ・シジミバナは春に咲く白い花のシモツケ属として国内では代表種です。園芸でも観賞用に用いられています。区別は比較的簡単で花序や花の形を確認するとすぐに分かります。また葉の形もそれぞれ特徴的なのでよく見れば花が咲いていなくても区別することができます。そんなユキヤナギですが研究によると意外かもしれませんが、花にハエとハナアブが沢山やってくることが分かっています。一方、コデマリでは研究が不足していますが、ユキヤナギよりも甲虫が訪れるように進化している可能性があります。本記事ではユキヤナギ・コデマリ・シジミバナの分類・送粉生態・種子散布について解説していきます。

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ユキヤナギ・コデマリ・シジミバナとは?

ユキヤナギ(雪柳) Spiraea thunbergii は中国東部と東北地方南部以南に分布し、国内でもよく植栽されています。あまり意識されませんが、日本に自然分布しています。川岸の崖壁の破れ目や岩礫地に生息する落葉低木です(茂木ら,2000)。

コデマリ(小手毬) Spiraea cantoniensis は中国中部に分布し、国内でよく植栽されています。中国では斜面に生息する落葉低木です。

シジミバナ(蜆花) Spiraea prunifolia は中国南東部・台湾に分布し、国内でよく植栽されています。中国では茂み、斜面、岩、急な乾燥した崖に生息する落葉低木です。

バラ科のシモツケ属にはいくつか白い花が含まれており、以上3種が代表的です。園芸で観賞用として多用されることからもきちんと区別できるようになりたいですよね。

ユキヤナギ・コデマリ・シジミバナの違いは?

花が咲いている場合は簡単に区別することができます(林,2014)。

花序はユキヤナギでは花数個が束生しているのに対して、コデマリとシジミバナでは花序は散房状です。

コデマリとシジミバナとではコデマリが漢字で「小手毬」と書くように手毬のような半球状に花が配列されているのに対して、シジミバナではそうなっていません。

また花の形態としては、ユキヤナギとコデマリは一重咲きですが(コデマリには八重咲きの品種ヤエコデマリもあります)、シジミバナでは園芸個体では八重咲きとなっています。

ユキヤナギとシジミバナでは迷うことは少ないかも知れませんが、万が一シジミバナが八重咲きでなかったとしても、ユキヤナギは花柄が長さ6〜12mmで無毛あるのに対し、シジミバナは長さ10~24mmと長く有毛であることから区別できます。

ユキヤナギの花
ユキヤナギの花:平らに並ぶ花序
コデマリの花
コデマリの花:半球状の花序
シジミバナの花:八重咲きで長い花柄が目立つ。|By Agnieszka Kwiecień, Nova – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=118757009

葉だけでも区別することができます。

シジミバナでは葉は丸みのある卵形で、光沢があるのに対し、ユキヤナギやコデマリでは細く、光沢はありません。

ユキヤナギとコデマリの違いとしては、ユキヤナギでは葉はより細長く、細かい単鋸歯があるのに対し、コデマリでは普通菱形状で、粗い重鋸歯があり、表はやや青白みを帯びるものが多く、裏は白みがあります。

ユキヤナギの細い葉|By Dalgial – Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9559422
ユキヤナギの広い葉上面
ユキヤナギの広い葉下面:白みはない。
コデマリの葉上面
コデマリの葉上面
コデマリの葉下面
コデマリの葉下面:白みがある。
シジミバナの花:丸みのある卵形。|By Krzysztof Ziarnek, Kenraiz – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=75549352

ユキヤナギ・コデマリ・シジミバナの花の構造は?

ユキヤナギは4月に咲き、前年枝(古くからある枝)に多数の花序をつけ、1つの花序には白い花が2〜7個あります。白色だけの花なのかと思い、よく観察してみると内側からオレンジの雌しべ、黄色い環状の蜜腺、白い雄しべと並んでいて、中々鮮やかです。

コデマリは4~5月に丸い散形花序に多数の花をつけ、殆ど白色です。

シジミバナは3~5月に花弁が八重の白い花をつけます。

よく似ているようにも感じますが、上述の通りはっきり区別することができます。

花には研究不足ではあるものの、ハエが沢山やってきていた!?

ユキヤナギの花に訪れる昆虫なのですが、花の形が平らなためか、多くの虫が訪れた記録があり、ナギナタハバチ属の一種(上森,2017)、ギンランキマダラハナバチ(根来,1999)、マメコバチ(津川,1973)など様々ですが、その割合を調べた日本の研究ではハエとハナアブで90%を占めています(横井ら,2008)。理由は分かりませんが、元々川岸に咲くことが関係しているかもしれません。

一方で、コデマリでは文献での訪花昆虫の記録は確認できませんでしたが、『Google画像検索』を利用した所、ハナバチ類、カツオブシムシ、ハナムグリ、カミキリ類、ハナアブ類がやってきていることが確認できました。割合は分かりませんが、半球状に咲くことで広く足場を取れるようになり、ユキヤナギよりも甲虫類が花に訪れやすく進化したのかもしれません。

シジミバナは八重咲きのため訪花例は少ないでしょう。

微妙な形態の違いかも知れませんがやってくる昆虫に与える影響は変わってくるでしょう。シモツケ属の送粉生態に関する研究は不足していますが今後に期待したいですね。

果実は袋果で種子を重力散布する

果実は3種とも袋果で、成熟した果皮はふつう乾燥して、1本の線に沿って裂開していきます。裂開した中から種子を零します。その詳細な生態は不明ですが、ユキヤナギでは重力散布が主で、風散布や動物散布は稀であると指摘されていることから(Poliakova, 2022)、他の2種でも同様と思われますが、どのように崖壁や斜面で繁殖することができるのでしょうか?ユキヤナギでは近親交配の傾向が認められ、容易にクローン繁殖することができるのでこのことも繁殖を容易にしているのかもしれません。身近ながら野生での生活は不明な3種です。

ユキヤナギの未熟果
ユキヤナギの未熟果
ユキヤナギの果実
ユキヤナギの果実

References

Hayashi, Masayuki. 2014. 1100 Tree Leaves Identified Through Real-Life Scans. Yama-kei Publishers, Tokyo. 759pp. ISBN: 9784635070324

根来尚. 1999. 金沢城跡(旧金沢大学構内)におけるハナバチ類の訪花性. 富山市科学文化センター研究報告 22: 55-79. ISSN: 0387-9089, http://repo.tsm.toyama.toyama.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=731&item_no=1&page_id=13&block_id=82

茂木透・石井英美・崎尾均・勝山輝男・太田和夫・高橋秀男・城川四郎・中川重年. 2000. 樹に咲く花 離弁花 (Vol. 1, 改訂第3版). 山と溪谷社, 東京. 719pp. ISBN: 9784635070034

Poliakova, T. A. 2022. Adaptive Strategies and Genetic Stability of Species from the Spiraea Genus (Rosaceae) in Natural Population Systems. Biology Bulletin Reviews 12(1): 96-107. https://doi.org/10.1134/S207908642207009X

津川力. 1973. 果樹の訪花昆虫の保護利用. 東北農業研究 14: 30-35. ISSN: 0388-6727, https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010072713

上森教慈. 2017. 兵庫県尼崎市の都市公園におけるハチ相. きべりはむし 40(1): 4-8. ISSN: 1884-9377, https://www.konchukan.net/pdf/kiberihamushi/Vol40_1/kiberihamushi_40_1_4-8.pdf

横井智之・波部彰布・香取郁夫・桜谷保之. 2008. 近畿大学奈良キャンパスにおける訪花昆虫群集の多様性. 近畿大学農学部紀要 41: 77-94. ISSN: 0453-8889, http://id.nii.ac.jp/1391/00005214/

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本記事は以下書籍に収録されている内容を大幅に加筆したものです。

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